多田野一人

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お祭り
7月になると、六月灯を思い出す…ただ、お宮参りするだけのお祭り…
踊りだの、山車だのは無くて、鳥居周辺の夜店を冷やかす簡素な夜祭り…せいぜい、行燈に絵を描いて、参道沿いに這わせた荒縄に、吊るして奉納するくらいで…
金魚掬いや、綿あめ、ひよこ釣り…何かし乍ら、夏の夜を過ごした…仲良しの女の子の浴衣姿に、ドキドキして、握りしめた百円玉が汗でしっとりしていた…
そんな、微かな遠い記憶がごちゃまぜになって、切なく甘い想いがこみ上げてくる…

7/28/2024, 2:43:56 PM