安心と不安
あなたと過す夜は、とても心が安らぐ…同じ私の部屋なのに、一人の夜にはない、言葉には出来ないけれど、優しい空気で充ちている…部屋の明かりも、いつもはただの光なのに、あなたが居るだけで、もっと明るくて、優しい感じがする…なかなか一緒に過ごせないぶん、電話よりも、もっと幸せになれる…最初は、声だけでも良かったのに、どんどん欲張りになってゆく…そして、一人の夜は、不安でたまらなく淋しくて…ずっとあなたと一緒に過ごしていたい…
逆光
ゆっくり登る始めた階段…大きな鳥居をくぐると、何段あるのか判らない長い石段と、木立と澄んだ青空が見える…駐車場にあった案内板には、御祭神や由来や歴史等、色々書いて有り、そんな事を思い出し乍ら、一段一段進めていく…途中途中にちょっと広めの段があり、3つ目の場所で一息ついた…其処からあと半分位はありそうな石段の上に、長い髪の女性が立っていた…今から降りて来るのか、私が今しがた昇ってきた方を見てるように見えた…一瞬、何処かで見たような気がしたけれど、逆光でよく見えない…その瞬間、石段を昇ってきた胸の動悸とは違う、胸の高鳴りを感じて…
こんな夢を見た
いつもと同じ時間に家を出て、あの公園に向かった…足元から伸びる影は、長く伸びて、階段でグネグネ折曲っている…山茶花の垣根を曲がると、ブランコに、あなたの姿があって…前後に揺れるあなたが、夕陽に包まれているのを、暫く見ていた…そして、我にかえって、あなたに声を掛けて、二人並んで他愛もない話をして、腕を組んで公園を後にして…
タイムマシーン
もしも…時間を行き来出来るなら…そんな事無いって解っているのに、あの時に、戻れたなら…って思ってしまう。一人の部屋に戻る時、ラブコメを見てる時、道でカップルとすれ違う時…
何時ものように、あなたと2人の帰り道、いつもと何となく違う雰囲気のあなたがから、突然言われた想いに…本当は、嬉しくて、同じ想いだって云いたかったのに、なぜだか、びっくりし過ぎで、そのまま駆け出していて…もしも、あの時に戻れるなら…
特別な夜
久しぶりに中学3年の時のクラス会…あれから長い時が過ち、それぞれ違う道を歩んできた…
集合場所の居酒屋に行くと、誰が誰やら判らない…曖昧に返事し乍ら、席に着くと、ポツリポツリ座席が埋まっていく…そして、向かいには、あの頃、淡い想いを寄せていたあなたが…段々と場が和み始めて、わいわいがやがやなり、あなたとも、別れ別れになって以降の四方山話で盛り上がる…その内、何処かで、お決まりのあの頃の恋バナが始り…懐かしさと、ちょっと切なさが込み上げてきたのを感じつつ、向かいに座るあなたの笑顔に…