こんな夢を見た
いつもと同じ時間に家を出て、あの公園に向かった…足元から伸びる影は、長く伸びて、階段でグネグネ折曲っている…山茶花の垣根を曲がると、ブランコに、あなたの姿があって…前後に揺れるあなたが、夕陽に包まれているのを、暫く見ていた…そして、我にかえって、あなたに声を掛けて、二人並んで他愛もない話をして、腕を組んで公園を後にして…
タイムマシーン
もしも…時間を行き来出来るなら…そんな事無いって解っているのに、あの時に、戻れたなら…って思ってしまう。一人の部屋に戻る時、ラブコメを見てる時、道でカップルとすれ違う時…
何時ものように、あなたと2人の帰り道、いつもと何となく違う雰囲気のあなたがから、突然言われた想いに…本当は、嬉しくて、同じ想いだって云いたかったのに、なぜだか、びっくりし過ぎで、そのまま駆け出していて…もしも、あの時に戻れるなら…
特別な夜
久しぶりに中学3年の時のクラス会…あれから長い時が過ち、それぞれ違う道を歩んできた…
集合場所の居酒屋に行くと、誰が誰やら判らない…曖昧に返事し乍ら、席に着くと、ポツリポツリ座席が埋まっていく…そして、向かいには、あの頃、淡い想いを寄せていたあなたが…段々と場が和み始めて、わいわいがやがやなり、あなたとも、別れ別れになって以降の四方山話で盛り上がる…その内、何処かで、お決まりのあの頃の恋バナが始り…懐かしさと、ちょっと切なさが込み上げてきたのを感じつつ、向かいに座るあなたの笑顔に…
君に会いたくて
久しぶりのクラス会…仲良しの届いた誘いに、ふっと浮かんだのは、あの頃、秘かに想いを寄せていた君の顔…もともと人見知りで、クラスでも浮いていた私は、イジられるか、無視されるかのどちらかで…でも、そんな私にも、何時も普通に接してくれたね…優しい君の笑顔が迚も眩しくて、ちょっとだけ期待していた…勿論、あり得ないって解っていたけれど…結局、何も云えない儘に、卒業して君とは、逢えなくなったけれど…このクラス会で、もしも君と会える事が出来るなら…
閉ざされた日記
本棚の隅に置いた儘の大学ノート…日に焼けて、埃も積もっている…ノートの表紙には、あなたと私の似顔絵が寄り添っている…
あなたはこの交換日記、憶えてるのかな…二人がまだ十代の頃、周りに秘密にしていた関係の秘かな証だったね…他愛もない日常の出来事や、二人だけの心の交換…まだ携帯電話すら無くて、アナログなものだけれど、確かに、二人だけの世界だったね…それも、あの日から、どうして..も開けない…