眠れないほど
どうしてだろう…気が付くと、あなたの事で、何も手がつけられない…名前すら知らないのに、ただあの道ですれ違うだけの人なのに…ふわりと香るあなたの髪の匂い、優しい瞳、微笑み溢れる唇…
何時も、決まった時間に、すれ違う事に気が付いたのは、紫陽花の季節…あれから、いつの間にか、木枯らしの季節になり、それでも、声を掛ける事すら出来なくて…少しの勇気があれば…
夢と現実
もしも叶うなら…これまで、どのくらいの夢を持っただろう…そして今、また新しい夢に翻弄している…
それは、あなたと一緒にずっと人生の旅に出掛けること…あなたに出逢えて、モノクロの世界に彩りがついて、初めてもっと生きたい、一人のままでいたくない、そう思えるようになった…心の中では、止まらない想いなのに、現実は…
さよならは言わないで
本当は、ずっとずっと一緒に居たい…夜も、別々の家では無く、二人で過ごしたい…我儘だって解ってるし、今の二人には、出来ないって知ってるけれど…暗い冷たい部屋に一人で戻りたくない、出来る事なら君と此の儘二人で帰りたい…こんなに、君の存在が大きくなるなんて思っていなかったけれど。同じ時間を過ごす度に、この時間が関係が愛おしくなって、繋いだ手を離したくない、もっと君の温もりを感じていたい、もっと君の優しさに包まれていたい…
だから、さよならまたね、なんて言わずに、絡めた指を解かないで欲しい…
光と闇の狭間で
夕暮れの夕焼けから、蒼くなる刹那…数分毎に変わりゆく空の色…蒼から少しづつ夜の帳が拡がって来ると、家々の灯りが優しく光り始める…そんなひと時が、少し切なくて何処となく愛おしい…一人、街灯が点々と並ぶこの道を歩き乍ら、冷たい夜風に背中を押されるように、家路を急いだ…
距離
君と知り合ってやがて一ヶ月…週末には待ち合わせをして、映画や水族館なんかに出掛けたり、一緒庭と食事に行ったり…お互いにプライベートな話題もしている…
なのに、近くで過ごしているのに、偶に触れる指先庭と、胸が早鐘を打つ…本当は、せめて手を絡めてたい…いや、キスくらい…君と向かい合い乍ら、近くて遠いこの見えない距離が切なくて…