哀愁をそそる
秋の夕暮れ…茜色から群青色に変わる空を飛んでいく烏の群れ…刻々と変わり暮れてゆく空と冷たい風に揺れる薄の穂が、あの日に連れ戻そうとしている…
あの日、前の晩から出掛けた父親を残して、母と僕ら3人兄妹弟は、急に電車には乗った。いく先は、東北の母方の祖父母の家だった。途中、東京の伯母にお弁当を貰い、一昼夜かけて数年振りに東北の地を踏んだ…着いたのは、午後の3時頃、既に陽は傾いて居て、夕陽と薄の穂が哀しく滲んでいた…
其れから10日余り、色々あり、また故郷に戻ったけれど、程なく母だけが出て行き…
鏡の中の自分
風呂上がり、洗面台の鏡を見乍ら、ドライヤーをかける…時々鏡に写る姿に、少し怖い時がある…鏡の中の自分に見られている…ひょっとしたら、今いる自分は、オリジナルでは無くて、鏡の向こうの世界が、本物なのではないか…そして、鏡に写る姿が、果たして自分の姿なのか…そういう取り止めない事が頭の中で、ぐるぐる巡り続ける…
眠りにつく前に
何処に居るの…布団に入り、じっと天井を見つめ乍ら、君の俤を浮かべてみる…出逢ってから、同じ時間を過ごすようになり、同じ未来を歩くって信じ始めた矢先…ありがとう、そう書いたメモを1枚残して、あの日から…電話もLINEも君には届かなくて…届かない君への想いと、君が悩んでいた理由(わけ)が解らない…
永遠に
永遠に、何時迄も、未来永劫とか、子供の頃は、そんな未来を信じてた…いつしか、そんな言葉が陳腐に感じ始めて、今だけが全てだと思っていた…それがまた、何となく遠い未来を想うようになった…
理想郷
何も考えずに、淡々と日常生活を送れるなら…世知辛い日常で、何のために生きているのか解らなくて、不安になる毎日…会社と自宅の往復だけの日々に嫌気が差す…せめて一日でもいい、全て解放されたい…