半分バカにしながら買ったアドラーの超簡単な解説本
中古屋にて入手 自己分析用のページの項目に前の持ち主がちゃんとチェックを入れているのが残ってて可愛かった
背伸びする為に買ったポスト構造主義の哲学書
フリマアプリにて入手 他の出品物やアカウント情報を見るにおそらくゴリゴリのサンリオファンの方が出品されていて人間の幅を感じた
ホテル清掃で入った部屋に置かれていた洋書
入手するとクビになるのでホテル側にお預け 添えられたメモ用紙に殴り書きの英語で「この本は本当に素晴らしい!読んでくれ!メキシコよりxx/xx/20xx」と書かれていた 後で調べたあらすじはつまらなかったが表紙は綺麗だった
好きな本
雨の中傘を差しながら二人で歩いていると道の傍らに咲く花に彼女が気づき吸い寄せられるように近寄って行った。
「あじさいが見れるようになるから梅雨っていいよね。」
同意できない。彼女の感性はときどき僕とは合わない。僕はそれだけではまったく梅雨を許せない。季節を楽しめない僕は彼女の感性を羨ましく思った。
「あ、見て。かたつむりだ。かわいい。」
同意できない。彼女の感性はときどき僕とは合わない。僕にとってはむしろ気持ち悪い。可愛いという言葉を聞いて僕はつい前から思っていたことをこのタイミングで彼女へぶつけてしまった。
いつも可愛いって言ってくれるけどそれってかたつむりと同じような可愛さの意味で言ってる?
彼女はよく僕を可愛いと言う。外見も内面もしゃきっとできずどろどろとしたなめくじのような僕にだ。前からそれが不思議で仕方なかったのでつい口を滑らせ聞いてしまった。ああ、面倒くさいなめくじな質問。彼女は即答した。
「うん、そうだよ。」
そうなんかい。
と僕も反射的に言うとすぐに冗談だよと彼女は笑った。彼女があまりに早くそして真顔を作って答えるから僕も笑った。それから二人の笑いがおさまった後で彼女はいたずらっぽい目をこちらに合わせて言った。
「 ?」
僕は同意した。
お前が嫌い
花占い 花視点
太陽にぶん殴られてあつたけえ
歌舞伎町のアウトロー詩人、北大路翼の好きな句だ
外で飲み潰れたろくでなしが朝日に起こされた絵が浮かぶ
暴力性と温かさはときに両立する ろくでなしにとって強制的に降り注ぐ太陽の鉄槌は優しさにもなり得るのだ
何をするにも責任を問われる今の時代にはできない優しさを朝日は持っている 言うならば押し付ける優しさだ
尻に火を付けられるかでもしないと動けない種類の人間はいて句の主人公もそうであろう そしてダメだと叱って火を付ける家族も恋人も友人もいないであろう
ろくでもない飲み方をしてぶっ倒れても誰も助けてくれない 起こしてくれない おそらく近寄りがたい風貌なのだろう 服はよれて髭もだらしなく生えている
だけどそんな人間にも太陽は構わず殴り起こしてくれる
ダメダメになったって朝は起きろと叱ってくれる
うっとおしくてもそこには温かみがある
朝日はろくでなしにも乱暴に優しく叱ってくれる
「世界の終わりに君と…」
Z級映画のクライマックス。今は地球が隕石の落下と同時にエイリアンに襲撃され、未曾有の死に至る感染症が拡大し、異常気象によって全海面水位の急上昇と全火山の大噴火と大陸レベルの台風が発生し、AIを搭載したロボットが暴走し、各国が核戦争を始め、神が君臨して地球を滅ぼそうとしているところだ。
世界が終わり過ぎてる。もうなんかむしろ始まってる。ヒロインを抱きしめながら叫ぶ主人公の演技が頭に入ってこない。もうこれ以上情報量を増やさないでくれ。心の中で嘆いていると、中盤に出てきたゾンビとサメと恐竜と悪霊が台風で打ち上げれているのがチラチラと背後に映り込んで私は逆にこの映画を愛することにした。