太陽にぶん殴られてあつたけえ
歌舞伎町のアウトロー詩人、北大路翼の好きな句だ
外で飲み潰れたろくでなしが朝日に起こされた絵が浮かぶ
暴力性と温かさはときに両立する ろくでなしにとって強制的に降り注ぐ太陽の鉄槌は優しさにもなり得るのだ
何をするにも責任を問われる今の時代にはできない優しさを朝日は持っている 言うならば押し付ける優しさだ
尻に火を付けられるかでもしないと動けない種類の人間はいて句の主人公もそうであろう そしてダメだと叱って火を付ける家族も恋人も友人もいないであろう
ろくでもない飲み方をしてぶっ倒れても誰も助けてくれない 起こしてくれない おそらく近寄りがたい風貌なのだろう 服はよれて髭もだらしなく生えている
だけどそんな人間にも太陽は構わず殴り起こしてくれる
ダメダメになったって朝は起きろと叱ってくれる
うっとおしくてもそこには温かみがある
朝日はろくでなしにも乱暴に優しく叱ってくれる
6/10/2024, 12:28:40 AM