今日は誕生日
ウチのねこは4歳になった
おめでとう
女ざかりだ

お客さんが来ると
ブルーの瞳をキラキラさせる
ガス点検のおじさんの
カバンを噛んでしまうので
抱くと　暴れまわる

ひと騒動終わり
彼女はだんだん眠くなる
空色の瞳は
徐々にすうっと
閉じていく

贈り物をするのは
むずかしい
贈る方と
贈られる方が
同じ熱量で
向き合わないと
もめ事の種である

今日は店を3軒も梯子して
これと言う物を買った
これほど頑張った
あなたへの贈り物を
うん…ありがと
くらいで済ますとは
カッとするか
スッと冷めるか
どちらかだ

地球は大きな磁石
だそうだ
たいていの場合
羅針盤の
針は北と南を指す
昔はそれを使って
人は移動した

この頃
私の周りは
ずっと複雑になり
元は単純なものが
理解不能なものになった
やり方だけは覚えたので
わかったような
顔をしている

小さい時にしばらく住んでいた
山のてっぺんまで
行く事がある

幅50センチくらいの山道で
上を上を目指す
足があがるのは最初だけ
だんだん前屈みになる
息も切れる
木々の間から見えるのは
青い空

山の上を目指すのは
明日に向かって歩く
ことに似ている
足元に気をつけながら
見にくい前を見る

でも
自分が今どこにいるのか
元々の目的地はどこだったか
見失なうことも多い

ただひとりの君へ
なんて言われたら
喜ぶしかない
次に続く言葉は何？
期待しかない

この言葉を額に入れて
毎日眺めていたい
誰が言ったかなんて
すっかり忘れてしまっても
言葉だけはずっと残る