「手を繋いで笑」「手繋ご笑」「私の手握ってよ笑」
何回こんなようなことを言われたか覚えてない。
僕のクラスの人たちはこんなことを言って僕のことをからかう。僕が人の手を握れないってことを知っていながら。
僕にも両腕が生えてたら無理矢理にでもしてやるのに。
ありがとう
告白とっても嬉しかった!
手紙での返事になっちゃったけど許して!笑
私も前まで奏斗君のこと気になってた!
だけど今はもう好きじゃなくなっちゃったの。
でも好きじゃなくなったのは奏斗君のせいじゃないよ!
私の周りの人間のせいなの!
私がみんなに虐められてるせいなの。
虐められ続けてたらもう恋愛とかできなくなっちゃった。
私は恋愛しちゃだめだと思っちゃったの。
生きてちゃだめって思い知らされちゃった。
私が虐められる前に奏斗くんと
付き合えてればよかったのに!!
そしたらもうちょっとだけ生きれたかもね!
奏斗くんにもたくさん迷惑かけちゃうかもだけど。笑
もっと生きて色んなことしたかったなぁ。
奏斗くんと手を繋いでみたかったしハグもしたかった。
キスもしてセックスもしたかった。
子供も産んで幸せな家庭を築きたかったよ。
奏斗くんとしたいことたくさんあった!
でももう遅い!
私もう死ぬことにしたし!
たぶん奏斗くんがこの手紙読んでる頃には私死んでる!笑
私誰にも見つからなさそうなとこで死ぬから見つけてね!
ヒントは初めて会った場所から一番近い山のどっか!笑
私のこと好きならこれだけのヒントでも私の死体
見つけられるよね!笑
期待してるよー?笑
もしも奏斗くんが警察よりも早く私のこと見つけられたなら私の死体にキスしてほしいな。笑
冥土の土産に奏斗くんからのキスがほしい!笑
でも私が死んでから時間経っちゃうだろうし冥土の土産にはならないかな?
まぁそんなんどっちでもいい!
私のことが好きなら私の死体にもキスできるよね?笑
奏斗君がキスしてくれると信じて先に言っとくね!
冷たくて
ごめんね
私はいつも部屋の片隅に座っている。
理由は簡単。ママに殴られるから。
ママは私のことが気に食わないみたい。
私が隅っこにいないとすぐ殴ってくる。
何で私のことを産んだのかわかんない。
視界に入れたくないなら産まなければいいのに。
まぁでもしょうがないよね。
産んで私が成長したから気づけたんだもんね。
私がママより断然可愛いってことに。
逆立ちをすると私の見ている全てのものが反転する。
見る方向が変わるとイメージがガラッと変わる。
イメージが変わったところで特に何かが変わるわけでもないけど。
連絡がこない。
いつもならメッセージを送ったら絶対3時間以内に返信が返ってくる。なのに今日はメッセージを送ってから9時間くらい経つのに一向に返信が返ってこない。
まもなく時刻は午前1時を過ぎようとしている。いつも通りなら私は今頃ベッドで寝ているだろう。けれど今日は彼氏から返信が返ってこない不安で眠れない。
会いに行こうかなとも思ったけど重い彼女だと思われたくないからやめた。そんなことを考えているうちに朝日が昇っていた。今日は特に予定もなかったので彼氏に直接会いに行ってみようかななどと考えていた。
その時、玄関のチャイムがなった。
こんな朝早くに誰だと思いながらもインターホンを確認しに行った。するとインターホンの画面には私が返信を求めている相手、彼氏がいた。私はすぐに玄関の鍵を開けて彼氏を家の中へ入れてあげた。だが明らかに彼氏の顔に元気がない。
何かあったのか聞いても全く口を開こうとしてくれない。だけどしつこく何があったか聞いていたらやっと彼氏が口を開いてくれた。
「昨日合コンの帰りに不良どもに絡まれたんだ。肩が少しぶつかったぐらいで怒ってきたから謝ってその場から離れようとしたんだ。だけど不良は謝罪が気に食わなかったのか俺に殴りかかってきたんだ。殴られそうになったから正当防衛で俺もそいつのことを一回だけ殴ったんだ。そしたらその不良がナイフを出してきてさ。流石に不味いと思ってナイフを奪い取ろうと思ったんだよ。そしたら運悪くその不良のみぞおちにナイフが刺さっちゃったんだ。救急車を呼ぼうとは思ったんだよ。でも俺が刺したってことになったら捕まると思うと怖くて救急車を呼べなかったんだ。結構深くナイフが刺さってたらからたぶんもうあの不良は生きてない。たぶん俺、人殺しちゃったんだよ。もうまともな人生歩めないわ。
だから最後に一つだけお願いがある。俺のことを殺して。」
そう言って小さなナイフを差し出してきた。
私はこの彼氏の話を聞いて落胆した。何で彼女である私がいるのに合コンに行くのか。意味がわからない。私もう彼氏に愛想を尽かされてたの?
そんなことを考えている間に私は無意識に彼氏の持っていたナイフを奪い取ってそのまま彼氏の右腕に刺した。
次に左腕、左足、右足、右の脇腹、左の鎖骨。
刺す度に彼氏はとても痛がっていた。
そんな痛がっている彼氏を見ても私は何も感じなかった。
もう私はこいつのことを彼氏だなんて思ってない。
浮気しようとしたクソ野郎だ。
たくさん苦しんでから死ね。刺すのやめてくれとか言うな。
お前が殺してくれって言ったんだろ。矛盾するなよ。
私が眠れないほどこいつの心配をしてたのがバカみたい。
「お前なんか一生眠っとけ。もう顔も見たくない。」
そう言って私は目の前の男の首にナイフを刺した。