連絡がこない。
いつもならメッセージを送ったら絶対3時間以内に返信が返ってくる。なのに今日はメッセージを送ってから9時間くらい経つのに一向に返信が返ってこない。
まもなく時刻は午前1時を過ぎようとしている。いつも通りなら私は今頃ベッドで寝ているだろう。けれど今日は彼氏から返信が返ってこない不安で眠れない。
会いに行こうかなとも思ったけど重い彼女だと思われたくないからやめた。そんなことを考えているうちに朝日が昇っていた。今日は特に予定もなかったので彼氏に直接会いに行ってみようかななどと考えていた。
その時、玄関のチャイムがなった。
こんな朝早くに誰だと思いながらもインターホンを確認しに行った。するとインターホンの画面には私が返信を求めている相手、彼氏がいた。私はすぐに玄関の鍵を開けて彼氏を家の中へ入れてあげた。だが明らかに彼氏の顔に元気がない。
何かあったのか聞いても全く口を開こうとしてくれない。だけどしつこく何があったか聞いていたらやっと彼氏が口を開いてくれた。
「昨日合コンの帰りに不良どもに絡まれたんだ。肩が少しぶつかったぐらいで怒ってきたから謝ってその場から離れようとしたんだ。だけど不良は謝罪が気に食わなかったのか俺に殴りかかってきたんだ。殴られそうになったから正当防衛で俺もそいつのことを一回だけ殴ったんだ。そしたらその不良がナイフを出してきてさ。流石に不味いと思ってナイフを奪い取ろうと思ったんだよ。そしたら運悪くその不良のみぞおちにナイフが刺さっちゃったんだ。救急車を呼ぼうとは思ったんだよ。でも俺が刺したってことになったら捕まると思うと怖くて救急車を呼べなかったんだ。結構深くナイフが刺さってたらからたぶんもうあの不良は生きてない。たぶん俺、人殺しちゃったんだよ。もうまともな人生歩めないわ。
だから最後に一つだけお願いがある。俺のことを殺して。」
そう言って小さなナイフを差し出してきた。
私はこの彼氏の話を聞いて落胆した。何で彼女である私がいるのに合コンに行くのか。意味がわからない。私もう彼氏に愛想を尽かされてたの?
そんなことを考えている間に私は無意識に彼氏の持っていたナイフを奪い取ってそのまま彼氏の右腕に刺した。
次に左腕、左足、右足、右の脇腹、左の鎖骨。
刺す度に彼氏はとても痛がっていた。
そんな痛がっている彼氏を見ても私は何も感じなかった。
もう私はこいつのことを彼氏だなんて思ってない。
浮気しようとしたクソ野郎だ。
たくさん苦しんでから死ね。刺すのやめてくれとか言うな。
お前が殺してくれって言ったんだろ。矛盾するなよ。
私が眠れないほどこいつの心配をしてたのがバカみたい。
「お前なんか一生眠っとけ。もう顔も見たくない。」
そう言って私は目の前の男の首にナイフを刺した。
12/5/2024, 1:24:15 PM