チャレンジ85(高く高く)
今はあまり見られないかもしれないが、結婚披露宴のウエディングケーキは、なぜあんなに高さがあるのだろう。晴れの門出だから、派手に盛り上がるのも良いが、少し派手すぎるようにも思える。実際に食べる部分は、新郎新婦がカットしたケーキの一部である。出席したみんなで幸せを共有するのだから、細かいことは気にしないようにしよう。
チャレンジ84(子供のように)
爽やかな秋晴れが続いたと思ったら、この数日は、汗ばむ気温である。参ってしまう。
エアコンをつけるか否か、家内と言い争いになった。たかが、エアコンである。子供のように意地を張るより、相手に合わせたほうが無難だ。家庭の平和のために。
実は先月も、サーティワンとハーゲンダッツ、どちらのアイスが美味しいかについて、家内と口論になった。私はハーゲンダッツが好きだ。家内はサーティワンが良いと言う。些細なことで言い争いになるのは、子供だ、本当に。
チャレンジ83(放課後)
3時45分になりました。下校の時刻です。まだ教室に残っている人は、早く帰りましょう。
こんな感じのアナウンスが、小学校の下校時間の放送である。放送委員の者は、この放送をしてから帰宅する。放送室に鍵をかけ、職員室に挨拶して、仕事が終了である。
ある放課後、放送委員の仲間が、放送室の中にあるテレビをつけた。当時の私は、学校のテレビはモニター用で、NHKしか映らないと思い込んでいた。しかし何と、民放が見られるではないか。
4時まで待ってると、「太陽にほえろ」の再放送があるぞ。お前も見るだろ?
友人の誘いに乗って、放課後の放送室で息をひそめた。4時まで、あと5分。
なんてことしてるんだ、お前ら。
顧問の先生に見つかり、かなり叱られた。その日に限って、職員室への挨拶が遅いことを不審に思ったらしい。放課後の、少し情けない思い出である。
チャレンジ82(カーテン)
あまり思い出したくない話だが、コロナ禍の時に設置されていたビニールカーテンは、不思議な圧迫感があった。互いの顔は見えるのに、間を隔てている。飛沫の防止というけれど、効果はあったのだろうか。
本来なら、カーテンは開けたり閉めたりできるものである。開けば風が通り、気持ちの余裕が生まれる。透明な素材なのに閉めたままのビニールカーテンは、開けるに開けられない。感染予防の、最前線を守る存在。緊張を感じさせるのも無理はない。
今年も様々な感染症が流行していて、不安になる。しかし、ビニールカーテンに圧迫される生活には、戻りたくない。
チャレンジ81(涙の理由)
子供の頃は、きょうだいげんかで泣いた。理由は本当に些細なことで、兄がテレビのチャンネルを譲ってくれない、姉が私の髪型をからかった、など。私の苦情を聞かされる母は、さぞうんざりしていたことだろう。
いま自分が親になって、子育ては忍耐だと痛感している。子供は語彙が未熟とはいえ、あまりに激しく泣かれると、困惑する。本当に忍耐がいる。私の親が、泣いている私に声を荒げたのも、今なら納得できる。当時は、なんで分かってくれないのかと、また泣いていた。おふくろ、ごめんなさい。