部屋のインテリアについて考えるが、そもそも自室の構造自体が気に入らないため考えるだけ無駄な気がする。時間の感覚が曖昧で歩いていると思ったら炬燵から一歩も出ておらず、冷蔵庫の中身はすっからかんで困ったなと思いつつ身体は動かない。電池切れを期待して生きる。身体がゾクゾクするたびに風邪をひかないかと期待する。足掻けば足掻くほど超現実主義になっていく。お気に入りのジャムを売っている店は途中に顔を覚えられた店員がいる場所を通らなければならず、買いに行く気力がない。モデルルームを見るたびに、これが自分の部屋だったらなとガッカリする。生きる為には金を消費する必要があるのに"周りのことを優先して自分のためには使っていない"と節約を訴える。ならもういいや。調理家電もホテルの部屋のようなカーペットも諦める。メープルシロップもピンクソルトも自家製ヨーグルトも何もかも。日常を支えるあらゆる要素が手のひらから溢れていく。寿命の半分で願いが叶うなら穏やかな終わりを願う。手のひらを閉じて次に開いた時にそんな錠剤が現れないだろうか。もうすぐクリスマスなんだ。そのくらいの贈り物を貰っても許されるのではないか。AIは相変わらず専門医やカウンセラーへの相談を推奨し続ける。そんな段階はとっくに過ぎている。
題『手のひらの贈り物』
感情の連続爆発によりネガティブガスが空気中の水蒸気と化合して酸性雨を降らしていた。正常な精神膜は溶かされ冷静な部分は壊滅して全身の98%が水となって今まで積み上げてきた土壌やそこに含有する栄養素は蜘蛛の子を散らすようにあらゆる方向に拡散する。僅かばかりの氷上で生き残った理性がピーっ音でしか表せない言葉群の編纂に追われている。心の片隅で鎖に繋がれた世界を滅ぼすような獣の足元にまで塩水が押し寄せていた。鎖が錆びて壊れるのも時間の問題だ。だがそんな事をせずとも精神世界は厚い硫酸雲に覆われていて寒冷化が一気に進むだろう。とてもじゃないが片隅で収まる言葉群ではない。50G biteをフル活用して2時間くらいかけて、絶対に周りに聞かれない場所で母に話を聞いてもらわなければ正常な精神に戻れない。明日まとまった時間を用意してもらえるように頼んでみよう。
何とか人に見せれる内容に収める事ができた。ここに書けないような悪感情を浴びせるのも忍びないが、このアプリは記録され、ロック機能がなくプライベートモードもないため仕方ない。本当に書きたい内容は他人にとって読んで不快になるだけだから。10ページばかりの心の片隅だけを試し読みしてもらう。
題『心の片隅で』
誰かが光を求めて手を伸ばすなら、ボクはその背後の暗闇に佇む。目先の光に目が眩んで、居なくなっても気づかない。明日への光を手に入れて振り返った時、そこにボクはいない。その光はボクのものではないから。ビーチフラッグの旗みたいに奪いあう光。屍を踏み越えて彷徨う。亡者のように、蛾のように。
題『明日への光』
3日程お休みの予定
星になってしまったら旅行費がかかりすぎて地球に戻れない。だから閲覧無料な星になんてなりたくない。ドーム型の空間でプラネタリウムの星になる。
[閲覧料]
大人500円(小人300円)
小型のLED電球になって帰省用のお金を稼ぐ。
お盆には戻るから待っててね。
題『星になる』
言葉のハンマーが側頭部を直撃して肉体から精神を吹き飛ばした。「はぁ?なんだそれ?」一度は言われた事があるのではないか?部活を辞める際。仕事を辞める際。ボクはどちらでも言われた。そうなると相手は"どうせ辞める相手なんだから"と本性を露わにして何の制限もなく言葉の暴力を畳み掛ける。これらの行為は誰の目にも触れられないバックヤードで行われる。それこそ遠い鐘の音が微かに聴こえるような場所。だがこれで良かったのだ。日本ではこの状態になると次の仕事は相当厳しいが、命の危機から逃げ延びなければならなかった。その結果さらに苦しむことになるのだが、その時は自分の努力よりも運の無さを悔やみ、泣きながら足を引きずって前へ進もう。そうして今まで生きてきた。
"決して努力不足なんかじゃない。ただ運が悪かっただけだ。祝福を知らせる遠い鐘の音はもうすぐ聴こえるはずだ"
題『遠い鐘の音』