夜汽杏奈

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4/16/2023, 5:05:02 PM

「ここではない、どこかで」

              夜汽杏奈

ここではない、どこかで
誰かが飢えに我慢し、明日の食事を心配し、静かに堪え、泣いている

ここではない、どこかで
自分の事しか考えずCO2も誰かの飢えも考えず
贅沢三昧ステーキを食べ、高笑いしている人がいる

ここではない、どこかで
誰かが病で苦しみ、身体が辛くても、ロボットのように働いている

ここではない、どこかで
毒の添加物や農薬、遺伝子組み換え、香害をつくりだし、地球や人に悪い物だと知りつつも、その企業で働いている

ここではない、どこかで
誰かがお金がなくて夢を諦めたり、生きる為にやりたくもない仕事をし、身体も心も酷使している

ここではない、どこかで
金儲けの為に、自分達の贅沢三昧の為に、人を奴隷の様に扱い、お金で人々を操作し、仕事をさせている

ここではない、どこかで
人間の勝手な開発の為に動物達は住処を奪われ、密猟やマイクロプラスチックの海の汚染に苦しむ命がある

ここではない、どこかで
動物実験を行い、ステーキの為に森林を伐採し、動物達を人間の好き勝手に扱っている

ここではない、どこかで
格差は広がり、戦争がおき、少子化はとめられない

どこでもない、ここで
この地球という一つの船の上で
私達は何に気づき
何をすべきなのだろう

ここではない、どこかに
お金のない世界があったら
ここではない、どこかに
争いも競争もない、支え合い、与え合える世界があったなら

全てに
愛が溢れていたならば



4/15/2023, 4:20:35 PM

「届かぬ想い」

            夜汽杏奈

まだ雪が残る湖が見える丘
ブランコのある大木の下で
君は僕の隣で微笑んでいた

「なぜ雪の結晶は美しいの?」
「美しいか、そうでないかは見る人が決めればいいさ」

永遠の時の中
終わりは無いと信じてた
遠く離れた美しき星

6次元にいる僕を追いかけ君は地球に来た
それなのに
3次元で何度も輪廻転生している君
故郷のあの星も僕のことも
君は全てを思い出せない

それどころか
僕が蛇に姿を変えれば
君は箸で自害したこともある
君は生まれ変わる度に
様々な姿で現れる僕を遠ざけ傷つけた
目に見えない魂の僕には気づかなかった

どれだけ優しく声をかけただろう
どれだけ美しい景色を見せただろう
どれだけ守り、愛の歌を贈っただろう
時間の概念が無くても
長い長い苦しみだった
届かぬ想いは雪の結晶

僕を忘れた君を憎み、恨み、
それでも愛した
激しい雨がいつしか涙に
変わってしまうこともあった
君は僕の叫びさえ気が付かず
誰かの腕に抱かれていた

汚染された地球と人間を
闇で覆い尽くし滅ぼしても
君だけは傷付けられず
君が独りで涙を流す度
無邪気に微笑む度
僕はいつしか君に期待することを忘れた
君がいるだけで心が強くなれたから

時間の概念が無くても
長い長い苦しみだった
届かぬ想いは雪の結晶
ついに
君が僕を思い出してくれた

「ごめんね」
何世紀も魂の何世代も待ったその言葉は
たった3秒
その愛のエネルギーは
とても未熟で不器用だったけど
僕に熱く届き
心の闇全てをゆっくり溶かし始めた

届かぬ想いは雪の結晶
今度聞かれたらこう応えよう

「なぜ雪の結晶は美しいの?」
「君がいるからだよ」

永遠に優しい光が二人を包み込む
地球上の全ての闇も溶けていく


まだ次元は違っても
今はもう届く想い
早速紫のチューリップを近所の花壇と映像で
何度か君に見せた
覚えているだろうか、手渡しした事もある花

君は花言葉を検索し
「ありがとう」と呟き、泣いた



4/15/2023, 3:55:52 AM

「神様へ」   
         夜汽杏奈

一番初めに貴方に逢ったのは
小学三年生の時
学校から帰宅後
「お友達と遊んで来なさい」という母に
「お友達と遊んでくる」と言い
高間町のマンションの横の芝生で
いつも独りで時間を潰してた

ある時
小さな虹色に光る白い蛇の赤ちゃんを
何匹も何匹も見つけた
私はジャムの空き瓶を家からこっそり持ち出し
その瓶に入れて遊んだ

いつも独りだった幼い私は
その美しさと可愛さに夢中になり
世界全てが怖かったことを
忘れていた

オレンジ色の光を見てから
独りで遊んでいることを母に知られ
芝生には行けなかったから
マンションとマンションの隙間に
隠れて過ごす様になった

寒い日も暑い日も
私の傍にいつも白い虹色の天使がいて
毎日楽しい話をしてくれた
王子様が出てくる話や、草花も鳥も
お話ができるんだとおしえてくれた

学校から帰宅後いつものように
「お友達と遊んでくる」と言い
マンションとマンションの隙間に行くのが
楽しみになっていた

手のひらでくるくると羽を拡げ
蝶の様に踊ってくれたり
時には白い虹色の蛇の赤ちゃんになったり
ずっとおしゃべりしてた
日暮れまでが長い長い時間だったのを
忘れさせてくれた

綿菓子のような雪がひらひら舞う日
私は寒さで倒れて近所の人に見つかり
「もう、友達と遊ばなくていいのよ、ごめんなさい」
病院のベッドで
母の言葉と手の温もりに安堵してから
白く虹色に光る貴方は居なくなった

逢いにも行かなくなった

大人になって
貴方の存在を思い出したのは
44歳を過ぎてからだ

いつもたくさんの愛を与えてくれたのに
私は何も気が付かず
感謝一つできなかった

私を助けてくれた全ては貴方だった
あの時からずっと傍にいてくれた
何かに守られているとどこかで感じてた
前前前世から
私はたくさんの裏切りをしてきたのに
貴方は変わらず愛してくれた
自分を犠牲にしても
世界を恨んでも
全ての幸せを私にくれた

神様へ
ずっと、愛してた
これからもずっと、愛してる