REINA

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5/4/2024, 1:22:13 PM

耳を澄ますと



『好きです』

ふと耳を澄ますと聞こえてくる告白の声。
今は動くべき時じゃないというのと、
一部の好奇心で、その場にとどまる。

どうせ相手の答えは『…ごめん』だ。

『…ごめん』

ほらな。

『今は、勉強に集中したくて』

秀才くんが答えるいつもの模範回答だ。

オレの幼馴染みはどうやら恋人を作る気はないようだ。
もう少し遊び心を持ってもいいと思うのだが。

『勉強の邪魔にはならないようにするから』

女も意外と粘る。
だが男にとっては、しつこいのは逆効果だ。
しかして優しいあいつは困り顔をしているだろう。

後でからかう材料にでもしようと、
もう少しだけ寝転んで耳を澄ませた。


 

5/3/2024, 12:36:01 PM

二人だけの秘密


二人だけの秘密の場所。
それは近くにある森の中の泉。

幽霊が出るとか、
呪われた泉とか、
いわくつきのような泉だったからこそ、
大人は誰も近づかなかった。

だから私たちはこっそり遊んだ。

泉からこんこんと湧き出る水は、
とても澄んでいて、確かに何かに引き込まれそうな感じだ。

私たちはその泉を覗き込む。
するととても綺麗な大人の女性と、
端正な顔立ちの大人の男性が写っていた。

そういえば、おばあちゃんから『未来が見えるかも』と言われていたっけ。

何年後かの私たちがそこにいて、
にっこりと笑っていた。


そう、これは二人だけの秘密。

5/2/2024, 12:34:31 PM

優しくしないで



期待してしまうの。
優しくされると。


もちろん分かっている。
あなたの性格だもの。
誰にでも優しいのは。

だからこれは『特別な』優しさなんかじゃない。



でも、やっぱり期待してしまうの。
あなたの優しさに溺れてしまいたくなるの。

抗う術なんてない。
抗いたくもない。

私だけの『特別な』優しさを頂戴。
他の人には、どうか優しくしないで。

5/1/2024, 1:01:46 PM

カラフル



人を好きになると、
こんなにも世界がカラフルに見えるものなのね。

4/30/2024, 12:51:33 PM

楽園



天使というものが空想上の生き物だから、
実際にどういうものなのかは分からないのに、
まるで天使のような微笑み、
まるで天使のような声、
まるで天使のような無垢な瞳、
と形容してもいいような、そんな女性に出会った。

これではまるで一目惚れ。
いや、そうなんだろう。

気付けば目でその子を追っている。
まるで楽園の中で一際輝く華が、そこにはあった。

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