耳を澄ますと
『好きです』
ふと耳を澄ますと聞こえてくる告白の声。
今は動くべき時じゃないというのと、
一部の好奇心で、その場にとどまる。
どうせ相手の答えは『…ごめん』だ。
『…ごめん』
ほらな。
『今は、勉強に集中したくて』
秀才くんが答えるいつもの模範回答だ。
オレの幼馴染みはどうやら恋人を作る気はないようだ。
もう少し遊び心を持ってもいいと思うのだが。
『勉強の邪魔にはならないようにするから』
女も意外と粘る。
だが男にとっては、しつこいのは逆効果だ。
しかして優しいあいつは困り顔をしているだろう。
後でからかう材料にでもしようと、
もう少しだけ寝転んで耳を澄ませた。
5/4/2024, 1:22:13 PM