冬華(トウカ)

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6/27/2025, 12:59:22 AM

別れの言葉は、何もなかった
さよならとか、幸せになれよとか、少しくらい言うと思っていたけど
何も、言わなかった

そのせいで、君の最後の言葉は、「お前さえいなければ」になった

君は最後に、私の心を重い鎖で縛りつけたんだよ

6/26/2025, 4:06:31 AM

君は私を愛してくれない
わかってる
いや、わかっていた
でも、君が優しくしてくれる時、
はじめて、君の愛を感じた
ほんとに小さな、蟻ほどの愛

その愛が、病みつきになった
その愛をくれる時、あなたの視界には、私だけがいる
快感だった

でも、そんなちっぽけな愛だと、足りなくなった
だから、君が、本当に私だけを視界に収めてくれるように
あなたを殺した

6/23/2025, 3:49:29 AM

どこにも行かずに、ずうっと私だけをみていて欲しい
大好きなあなたが、私だけをみている
それを感じると、「あぁ、生きてるな」って、思える

なんで?
私はあなただけを愛してるよ?
あなたは、私だけじゃないの?
おかしくない?

ずっとずっと、私をみていてよ
私だけを、見つめていてよ

私が生きられるのは、あなたにみられていると、思える時だけ

6/22/2025, 7:25:08 AM

小学生の頃、君よりも僕が優れていた
テストの点数も、運動神経も、ひらめき力も、応用力も、何もかも
君は僕のことを、尊敬と憧れのこもった目で見てきて、心底気持ちよかったのを覚えている

中学生に上がると、少し差は縮まってきていたが、まだ僕の方が上だった
君はよく、絶対に追いつく、と宣言してきた
できるものならやってみなよ、と言ってあしらっていた

高校、僕は難関校に進学したが、君もついてきた
合格ラインギリギリだったらしい
僕は上位10位以内には入っていたと思う
まだまだだなと、たかを括っていた

高校二年生の、中期考査
初めてテストの点数で負けた
はじめて、君に見下ろされた
君は大喜びだったが、僕の中で、黒い何かが生まれたのはその時だった

結局そこから、少しづつではあるが、差をつけられ、大学のレベルも離れてしまった
もちろん、君が上の大学だ
君は、卒業式の日、僕にお礼を言った
君が言うには、僕が優秀で、君を超えるという目標があったから、ここまで来れたらしい
僕にはその言葉が、「僕が君の踏み台」と言っているように聞こえたのだ
僕は無視して君の前から去った

あれから何年も経ち、僕らは大人になった
君は、テレビに引っ張りだこのイケメン凄腕医者になっていた
僕は、まぁまぁな会社に入って、普通の生活を送っている
どこで間違えたのか、僕には理解ができない

今は昔とは逆で、僕が君の背中を追っている
追いつかないと、わかっていながら

6/19/2025, 11:11:37 AM

梅雨の中でも、強い雨が降ったあの日
君は僕を、近くの公園に呼び出した
傘を刺して、君を待っていると
君は傘も刺さずに、やってきた

急いで駆け寄って、傘に入れてあげようとして、僕の上着を貸してあげようとして、近づいたけど
君は、顔を上げて、一言
「終わりにしよう」

あの時の君の顔は、雨でずぶ濡れで、雨の伝った跡なのか、はたまた、君の涙の跡なのか
僕にはわからなかった

君の言葉を聞いた直後から、雨の香りが、強くなった気がする
それは多分、君もそうだったんじゃないかなと思う
だって、君は僕よりも、ずっと優しい人だったから

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