小学生の頃、君よりも僕が優れていた
テストの点数も、運動神経も、ひらめき力も、応用力も、何もかも
君は僕のことを、尊敬と憧れのこもった目で見てきて、心底気持ちよかったのを覚えている
中学生に上がると、少し差は縮まってきていたが、まだ僕の方が上だった
君はよく、絶対に追いつく、と宣言してきた
できるものならやってみなよ、と言ってあしらっていた
高校、僕は難関校に進学したが、君もついてきた
合格ラインギリギリだったらしい
僕は上位10位以内には入っていたと思う
まだまだだなと、たかを括っていた
高校二年生の、中期考査
初めてテストの点数で負けた
はじめて、君に見下ろされた
君は大喜びだったが、僕の中で、黒い何かが生まれたのはその時だった
結局そこから、少しづつではあるが、差をつけられ、大学のレベルも離れてしまった
もちろん、君が上の大学だ
君は、卒業式の日、僕にお礼を言った
君が言うには、僕が優秀で、君を超えるという目標があったから、ここまで来れたらしい
僕にはその言葉が、「僕が君の踏み台」と言っているように聞こえたのだ
僕は無視して君の前から去った
あれから何年も経ち、僕らは大人になった
君は、テレビに引っ張りだこのイケメン凄腕医者になっていた
僕は、まぁまぁな会社に入って、普通の生活を送っている
どこで間違えたのか、僕には理解ができない
今は昔とは逆で、僕が君の背中を追っている
追いつかないと、わかっていながら
6/22/2025, 7:25:08 AM