どこにも行かずに、ずうっと私だけをみていて欲しい
大好きなあなたが、私だけをみている
それを感じると、「あぁ、生きてるな」って、思える
なんで?
私はあなただけを愛してるよ?
あなたは、私だけじゃないの?
おかしくない?
ずっとずっと、私をみていてよ
私だけを、見つめていてよ
私が生きられるのは、あなたにみられていると、思える時だけ
小学生の頃、君よりも僕が優れていた
テストの点数も、運動神経も、ひらめき力も、応用力も、何もかも
君は僕のことを、尊敬と憧れのこもった目で見てきて、心底気持ちよかったのを覚えている
中学生に上がると、少し差は縮まってきていたが、まだ僕の方が上だった
君はよく、絶対に追いつく、と宣言してきた
できるものならやってみなよ、と言ってあしらっていた
高校、僕は難関校に進学したが、君もついてきた
合格ラインギリギリだったらしい
僕は上位10位以内には入っていたと思う
まだまだだなと、たかを括っていた
高校二年生の、中期考査
初めてテストの点数で負けた
はじめて、君に見下ろされた
君は大喜びだったが、僕の中で、黒い何かが生まれたのはその時だった
結局そこから、少しづつではあるが、差をつけられ、大学のレベルも離れてしまった
もちろん、君が上の大学だ
君は、卒業式の日、僕にお礼を言った
君が言うには、僕が優秀で、君を超えるという目標があったから、ここまで来れたらしい
僕にはその言葉が、「僕が君の踏み台」と言っているように聞こえたのだ
僕は無視して君の前から去った
あれから何年も経ち、僕らは大人になった
君は、テレビに引っ張りだこのイケメン凄腕医者になっていた
僕は、まぁまぁな会社に入って、普通の生活を送っている
どこで間違えたのか、僕には理解ができない
今は昔とは逆で、僕が君の背中を追っている
追いつかないと、わかっていながら
梅雨の中でも、強い雨が降ったあの日
君は僕を、近くの公園に呼び出した
傘を刺して、君を待っていると
君は傘も刺さずに、やってきた
急いで駆け寄って、傘に入れてあげようとして、僕の上着を貸してあげようとして、近づいたけど
君は、顔を上げて、一言
「終わりにしよう」
あの時の君の顔は、雨でずぶ濡れで、雨の伝った跡なのか、はたまた、君の涙の跡なのか
僕にはわからなかった
君の言葉を聞いた直後から、雨の香りが、強くなった気がする
それは多分、君もそうだったんじゃないかなと思う
だって、君は僕よりも、ずっと優しい人だったから
君は、夢がありますか?
どんな夢ですか?
何個ありますか?
夢について尋ねるとき、この三つの質問をします
無いっていわれたら、自分のことを話します
あるって言われても、自分のことを話します
ちなみに、私の夢は、誰かの居場所になれるような人になること。何があっても、誰かの味方でいること。人を信じて、相手に信じられる人になること。の三つです
これからも増えてく予定です
私の夢は、誰でも口にすることができて、実行することができるような、薄っぺらいことです
それでも、夢です
世間から「いいひと」と呼ばれるような、そんな人になりたい
アスリートになりたいとか、歌手になりたいとか、大きな夢で、素晴らしいと思います
僕も、歌手を目指していた時期もありました
でも、僕にとっての歌手って何かを考えた時に、歌手は、僕にとっての支えで、居場所で、味方だったんですよ
じゃあ、それを夢にしたいってなったんです
そんなふうに、自分の夢は変わるし、薄っぺらくもなるし、大きくて、厚い夢にもなります
夢って、めんどくさくて、不思議で、いいものですね
さて、話は変わります。あなたの話をしましょう
もしも君が、夢を持っているなら、素晴らしいことだ
目標がある、目指すところが見えている、寄り道しても、元の道に戻ることができる
この先の未来は明るいですね
もしも君が、夢を持っていないなら、素晴らしいですね
目指すところは見えなくても、道は無限にありますよ
その中から、好きな道を選んで、好きにすすんで、寄り道して、別の道に進みたくなったら、そっちに曲がれる
この先の未来は、輝いてますよ
もしも君が、何に悩んでいても、夢は、無数にあって、全部、眩しいくらいに輝いてるよ
そこに届くために必要なことを、君が、君自身が、やっていくんだよ
がんばれ!
人は皆、自分だけのリズムを持っている
それを、「人生」と言う
そのリズムに合わせるのは、自分だけの楽器たち
それらを、「才能」と言う
その二つだけで、メロディは完成しない
そこで、人々はいにしえから受け継いできた方法を使って、みんなが持つことができる楽器を作り出した
それらを、「能力」と言う
それでやっと完成するかと思いきや、そうはいかない
そこに足すのは、指揮者だ
楽器が、リズムがあろうとも、それをまとめて、揃えられなければ、メロディは完成しない
音楽の基盤、と言っても過言ではないだろう
それを、「努力」と言う
「努力」には、一人一人に合ったものがある
それを見つけて、君だけの音楽を作り出して、完成したもの
それを、「君だけのメロディ」と言う曲名にしよう
さぁ、僕らの、君のメロディは、どんな音楽になるだろうか
その曲が、悲しげでも、明るげでも、平凡でも、それはそれは美しい音楽になるだろうね
だって、君が歩んできた道は、楽でも、辛くても、普通でも、それは君だけの道だもの