ココロオドル
大好きなテーマパークに行き、公式のホテルに泊まるという旅行。
それが毎年、年に一回だけ。それを考えるだけで、ココロオドル。
何に乗ろうか、どこの風景をカメラで撮るか、何を食べようか、お土産は何にしようかなど。
ワクワクすることは、日常生活、ましては働いていたら少ない。
この時だけ、旅行の時だけ、自身のワクワクが倍増している。
年に一回だけのご褒美――
束の間の休息
電子レンジの音が鳴る。
待ってましたと思い、それに反応して扉を開ける。
温かいホットミルクが入った白のマグカップを取り出すと、机の上に置いた。
湯気が立っているのを見つつ、棚からロイヤルミルクティーの粉末が入ったチャック式の袋を取り出す。
そして、ティースプーンも取りに行って準備完了。
マグカップに4杯、パラパラと粉末を入れて、よくかき混ぜる。
自身のオリジナル、ミルクたっぷりホットロイヤルミルクティーの完成。
忙しい半日の束の間の休息。一口飲むと、心も体もポカポカする。
ホッと息をついて、天井を眺めた。また昼から忙しくなるなと思いながら、一口飲んだ――
力を込めて
力を込めて開けようとしても中々、開かないのがジャムとかが入った瓶。
数分、格闘しても開かない。渾身の力を込めても、開かない。
開かなくて諦めかけた時に開くと、今までのことは何だったのだろうかと苦笑いになる。
過ぎた日を想う
ふと、カレンダーに目を移した後に気づいた。
あの日から何年経っただろうか。
今でも思い出せる、あの日のたくさんの想い。
クスッと笑みが溢れたのと同時に玄関の扉が開く音。
聞き慣れた足音に耳をすませる。そして、リビングのドアが開いた。
「結婚記念日だったよね、いつもありがとう」
ふにゃと笑って、白い箱を渡される。
私の好きなケーキ屋さんのケーキを買ってきてくれたようだ。
「こちらこそ、ありがとう。さっそく食べよう」
机の上にケーキの箱を置き、お皿とフォークを取りにいく。
色々なことがあった。楽しいこともあれば辛いこともあった。
全てが分かり合えるわけでもない、それは当たり前。
みんながみんな、同じじゃない。十人十色。
よくここまで来たなとしみじみ。
過ぎた日を想う。それは、決して悪いことではないなと――
星座
毎朝、見たくはないけど見てしまう星座占い。
ドキドキしながら、自分の星座の順位を目で追う。
真ん中の順位の時は、ホッと安心する。
しかし、最下位の時は気分がかなり沈む。ラッキーアイテム、色、番号などを覚えて、身につける。
一位の時は、世界が輝いてみえるし、自分自身が無敵に思う――