過ぎた日を想う
ふと、カレンダーに目を移した後に気づいた。
あの日から何年経っただろうか。
今でも思い出せる、あの日のたくさんの想い。
クスッと笑みが溢れたのと同時に玄関の扉が開く音。
聞き慣れた足音に耳をすませる。そして、リビングのドアが開いた。
「結婚記念日だったよね、いつもありがとう」
ふにゃと笑って、白い箱を渡される。
私の好きなケーキ屋さんのケーキを買ってきてくれたようだ。
「こちらこそ、ありがとう。さっそく食べよう」
机の上にケーキの箱を置き、お皿とフォークを取りにいく。
色々なことがあった。楽しいこともあれば辛いこともあった。
全てが分かり合えるわけでもない、それは当たり前。
みんながみんな、同じじゃない。十人十色。
よくここまで来たなとしみじみ。
過ぎた日を想う。それは、決して悪いことではないなと――
10/6/2023, 2:30:01 PM