文月

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1/24/2026, 12:47:29 PM

『逆光』


太陽が照りつける日差しの中で、
花の写真を撮る。

どこに立っても、
光は正面からやってきて、逆光になる。


―どうすれば、きれいに写せるのだろう―


写真が上手い人は、
いろいろ設定を変えるらしい。

でも、そんな面倒なことはごめんだ....。

いつの間にか私は、
このスマホの最低限の力で
どう撮ってやろうかと、太陽と勝負していた。

そうだ、
花をアップにして
逆光を使ってやろう。

「お花のかくれんぼ」
じゃなくて、
「光に照らされたお花」にしてやろう。

よし。

1/17/2026, 7:39:05 AM

『美しい』

眠っているときの、彼の顔がいちばん美しい。

最近流行りの美容男子で
お風呂上がりには欠かさずパックをする人だ。

そっと覗き込むと、
きめ細かい肌に長いまつげ、
高くまっすぐ通った鼻。

角質ケアを怠らないせいか
唇までなめらかで、思わず見入ってしまう。

敏感肌で乾燥肌の私からすれば、羨望のかたまりだ。

起こさない程度に鼻をつまんでみたり、
ウインドチャイムみたいに
まつげを指でそっと揺らしてみたり。

小さな意地悪をしても、彼は眠ったまま。

でも、この美しさは偶然じゃない。

毎日の手入れを続けてきた
その努力の結果なのだろうと思う。


…私も、負けずに飽きずに頑張ろう。

1/9/2026, 11:24:52 AM

『三日月』

年末の仕事終わり、
職場を出たとき
夜空に三日月が浮かんでいた。

凛とした光があまりに綺麗で
疲れ切っていた心と身体が
すっとほどけた気がした。

気づけば足を止め
ただ黙って三日月に魅入っていた。

なぜか
あれほど大変だった仕事の疲れは
いつの間にか
夜空の奥へ吹き飛んでいたのである。

1/9/2026, 3:00:01 AM

『色とりどり』


お花の写真を撮るのが、日常である。

お花といえど、種類はさまざまで
すべてが好きというわけではない。

たくさんの花が咲き誇る花木や、
人の手で整えられた美しい花ではなく、

自然の力で育ち、
人間の手がほとんど入っていない草花が
私は好きである。

どんな地に行っても
たくましく生えている
色とりどりの草花。

季節ごとに表情を変える、たんぽぽ。

子どもの頃、
登下校の途中で蜜を吸っていたホトケノザ。
音を鳴らして遊んだ、ペンペン草。

それらが
大人になった今
七草の一つだと知ったとき、
小さな驚きが胸に残ったのである。

そんな色とりどりの草花を見ると、
心が踊り、朗らかになるのである。

12/4/2025, 10:37:19 AM

『秘密の手紙』

机の引き出しの奥に
薄い青色の封筒が眠っている。

毎年、誕生日が近づく頃、ふと思い出す。

封筒の表には、達筆な文字。

あの日、私の心を何度も締め付けた筆跡
破らないよう慎重に開くと
折り目が増えた便箋が現れる。

『 文月へ

誕生日おめでとう。
いつも僕の話を聞いてくれてありがとう。
しんどい時、支えてもらってるよ。

君が笑ってくれると、俺も頑張れる気がします。
これからも、よろしくね。

大好きだよ、〇〇より。』


読み返すたび、胸がじんわりと温かくなる。
あの頃はとても幸せだったな
と読むたびに噛みしめる。

「もしかしたら」と期待して、
手紙の意味を何度も探して
結局、気持ちは伝えぬまま、時間だけが流れた。

今の私たちは、友達だ。
恋人ではなく
理解者として並んで歩ける距離に落ち着いた。

それを寂しいと思う日もある。
でも、この関係が心地よいと思う日も増えた。

私は手紙をそっと封筒に戻し、引き出しを閉めた。
あの頃の想いも、悩みも、ぜんぶ一緒にしまいながら。

でも、これは私の小さな宝物だ。
他の誰も知らない、二人だけの秘密の手紙。
今は友達として隣にいられる幸せを噛みしめる。

手紙に宿った淡い恋は、今も消えてはいない。
けれどそれは、そっと心にしまっておく。
これからの私たちのために。

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