『ところにより雨』
こんな雨の日は好きになれない
降ったり
止んだり
かと思えば降ったり
なんで降っているのに
晴れているんだ
にわか雨か
やめてほしいものだ
お願いだから
帰る時には晴れていて
家に帰る前に
風邪をひいてしまっては困る
降るなら
ザー!と降って
終わってくれないか
『胸が高鳴る』
胸が高鳴った瞬間は、
登山で崖を登ったときだった。
この上には、どんな風景が広がっているのだろう。
そう思った瞬間、胸の鼓動はさらに速くなる。
胸が高鳴るのは、頂上に立った瞬間だけじゃない。
足場の不安定な崖に手をかけ、
一歩ずつ体を引き上げるたびに、
心臓は強く音を打つ。
滑りそうになる恐怖と、
それでも進みたいという意志がぶつかり合い、
呼吸は荒くなる。
やがて最後の一手を伸ばし、
体を引き上げた先に広がる景色。
登ってきた崖の下を見て、
「ここを私は登ってきたのか」と恐怖を覚える。
それと同時に、達成感が全身を包み込んだ。
周りの目など気にする間もなく、
「フォォォォォオ!」と高らかに叫ぶ。
「登ってやったぞ」と、
全身で実感する瞬間だった。
『たまには』
たまには
何もしない日があってもいい。
頑張らない日があってもいい。
人はずっと走り続けるように
できていないから。
止まる時間も、
ちゃんと生きている時間。
『逆光』
太陽が照りつける日差しの中で、
花の写真を撮る。
どこに立っても、
光は正面からやってきて、逆光になる。
―どうすれば、きれいに写せるのだろう―
写真が上手い人は、
いろいろ設定を変えるらしい。
でも、そんな面倒なことはごめんだ....。
いつの間にか私は、
このスマホの最低限の力で
どう撮ってやろうかと、太陽と勝負していた。
そうだ、
花をアップにして
逆光を使ってやろう。
「お花のかくれんぼ」
じゃなくて、
「光に照らされたお花」にしてやろう。
よし。
『美しい』
眠っているときの、彼の顔がいちばん美しい。
最近流行りの美容男子で
お風呂上がりには欠かさずパックをする人だ。
そっと覗き込むと、
きめ細かい肌に長いまつげ、
高くまっすぐ通った鼻。
角質ケアを怠らないせいか
唇までなめらかで、思わず見入ってしまう。
敏感肌で乾燥肌の私からすれば、羨望のかたまりだ。
起こさない程度に鼻をつまんでみたり、
ウインドチャイムみたいに
まつげを指でそっと揺らしてみたり。
小さな意地悪をしても、彼は眠ったまま。
でも、この美しさは偶然じゃない。
毎日の手入れを続けてきた
その努力の結果なのだろうと思う。
…私も、負けずに飽きずに頑張ろう。