『明日世界が終わるなら...』
一番先に考えたのは
「叫びたい」だった。
いや、
美味しいものを食べるべきか
それとも家族といるべきか
ここは災害大国で
真っ先に来るとしたら
やはり津波だろうか
来るはずもない街なのに
もし来るのだとしたら
私は山のてっぺんに登り
津波を眺めながら
幸せだった一時を思い出して
一生を終えるのだろうか
それとも
やってみたかったキャンプをして
肉を頬張るのだろうか
煙に紛れて
何かを吐き出すように
きっと私は
一度くらいは叫ぶ
「ありがとう」と
『ところにより雨』
こんな雨の日は好きになれない
降ったり
止んだり
かと思えば降ったり
なんで降っているのに
晴れているんだ
にわか雨か
やめてほしいものだ
お願いだから
帰る時には晴れていて
家に帰る前に
風邪をひいてしまっては困る
降るなら
ザー!と降って
終わってくれないか
『胸が高鳴る』
胸が高鳴った瞬間は、
登山で崖を登ったときだった。
この上には、どんな風景が広がっているのだろう。
そう思った瞬間、胸の鼓動はさらに速くなる。
胸が高鳴るのは、頂上に立った瞬間だけじゃない。
足場の不安定な崖に手をかけ、
一歩ずつ体を引き上げるたびに、
心臓は強く音を打つ。
滑りそうになる恐怖と、
それでも進みたいという意志がぶつかり合い、
呼吸は荒くなる。
やがて最後の一手を伸ばし、
体を引き上げた先に広がる景色。
登ってきた崖の下を見て、
「ここを私は登ってきたのか」と恐怖を覚える。
それと同時に、達成感が全身を包み込んだ。
周りの目など気にする間もなく、
「フォォォォォオ!」と高らかに叫ぶ。
「登ってやったぞ」と、
全身で実感する瞬間だった。
『たまには』
たまには
何もしない日があってもいい。
頑張らない日があってもいい。
人はずっと走り続けるように
できていないから。
止まる時間も、
ちゃんと生きている時間。
『逆光』
太陽が照りつける日差しの中で、
花の写真を撮る。
どこに立っても、
光は正面からやってきて、逆光になる。
―どうすれば、きれいに写せるのだろう―
写真が上手い人は、
いろいろ設定を変えるらしい。
でも、そんな面倒なことはごめんだ....。
いつの間にか私は、
このスマホの最低限の力で
どう撮ってやろうかと、太陽と勝負していた。
そうだ、
花をアップにして
逆光を使ってやろう。
「お花のかくれんぼ」
じゃなくて、
「光に照らされたお花」にしてやろう。
よし。