アクリル

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1/24/2025, 10:38:36 PM

やさしい嘘


心の気触れは振り返すらしい。
その度あやすような言葉が欲しくなる。

口寂しくなって辞めれられない嗜好品のように繰り返す。
都度表現を変えながら、あなたの柔らかい人柄から引き出そうとする。
揺らがなくて無くならない、不変の何かを。

万事は移り変わるのが自然だなんて、わかっていた。
目を覆いたくなるような変化も、大笑いして喜びたくなるような変化も見てきた。
あなたもそれは同じで、お互いに人間らしく生きてきた。

だから怖くなった。
大小含んだ制御不能な変化は、時代をも巻き込んで
見えない大きなものに飲み込まれて
来世での再会まで期待できないほどに
この繋がりが引き千切られるのではないか?

そんな極端な終末思想に苛まれてしまう。
脳の悪戯だ。

いつものことで、いつも以上に苦しい。
開け放された窓から流れ込む風だけが私の頭を冷やしていく。

平静を装ってあなたに話しかけてみる。

「ね、今日一緒に帰りたいな」
「うん」

あなたの微笑み未満の表情には嬉しさが混じっている。
あなたの髪が西陽を纏ったカーテンと揺れる。
同じ形の机と椅子、遠くで聞こえる夕方のチャイム。
次々と校庭から姿を消す人影。
いっそう色濃くなる「終わり」が、私の深層を怯えさせる。

日が暮れても、あなたの声ひとつあれば
寿命まで生き延びられる気がする。

もう、言ってしまおうか。

「重いこと言うね」
「なぁーに?」

聞き慣れた間延びした返事に安堵して、私は呪いにもなり得る言葉を吐く。
最低限の気遣いを持って。

「しつこくしないから、この先も一緒にいたいなあ」

「いるよ」

そよ風のようなあなただ。
首を絞めるようなことを言ってしまった。
優しい即答の裏で、苦しくならないだろうか。

ありがとう、と言いかけた時、あなたは私の眼前で呟いた。

「私も怖かった」

どうか本当でありますように。
でも偽りなら
そんな泣きそうな顔で言わないね。

1/13/2025, 1:46:03 PM

あの夢のつづきを


水面は誘惑、柵など飾り物。
生ぬるい風は春のようで、木々も船もない。水しかない。
両足の鉛がアクセサリーになり得る世界の風を読んでいる。

気がついたんだ。
このまま息などできない、人の群れの中で窒息する。
競争の真似事ができるほど私は器用じゃない。

人を動かすのは恐怖だ。柵に背を向けた。 

何かが起こる、予感だけが脳天でふよふよと浮かんでいる。
美しいものを見て作って、柔らかい会話をして、空がよく見える場所で暮らしたい。
自他の自由を尊重していたい。

目を開ければそこは六畳の住処で、昨日と同じ位置に陽が溶け出していた。
寝床で理想を見るなんて、何という幸福だろう
この深層心理はどこへ行くのだろう

その行き先が目に見えて、手で触れられる世界ならば
叶うその日に備えて、昼過ぎに起きた自分を許そうかな。

1/3/2025, 2:13:11 PM

日の出


過去の自分が二の句を継げなくなるくらいの
あり得ないような未来を作れたらいい

咲かない、咲こうとも思わない
なんの願いもないように思える日々の先に
こんな未来があるなんて信じられないと
感動を通り越した不信感まで抱かせてあげたい

可哀想。大きなお世話だね。でも可哀想。
昔から、あの子の嫌いな言葉は可哀想。

黒い窓の向こうにいる
面倒ごとは起こさない、厄介ではないが存在のメリットはない
そんな1人の子供を迎えに行きたい

調子が最悪な時の自分が本来のエネルギーだって
無責任な記事に書いてあった
その通りかもしれない
それでも良いよ
この際大きな問題じゃない

ナイトモード設定だっただけ
今まで時間指定だっただけ

ライトモードのスイッチは
古くさい思い出の中にあるはずだから
私はこのまま、愚かなまま、無知なまま
臆病な新参者として生きていくよ

1/2/2025, 12:10:10 PM

今年の抱負
 

私は私になります。
再スタートを切ります。
私は再生します。

私は私を救います。

私は華を咲かせます。

私の中の私に、覚めたままで夢を見せます。 

1/2/2025, 12:03:35 PM

新年


明けましておめでとうございます。
昨年もたくさん読んでくださり、本当にありがとうございました。

今年も一緒に、進んでいきましょう。

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