3/4/2023, 10:59:09 AM
大好きな君に
「またね」を言わなくてよくなった
隣で「おやすみ」を言えるようになった。
3/1/2023, 1:37:56 PM
欲望
「もっと」
耳に齧り付くような声が
私を癒す
「いいよ」
まるで自分ではないような返事が、口をついて出る。
「ありがとう」
誰からも言われたことのない言葉が
私を生かす
このまま、せめて今日の終わりまで、このまま。
2/21/2023, 3:38:53 AM
同情
「あなたは悪くないよ」
「あれほど叩かれる理由など、あなたにはないよ」
「そうだよね、その通りだと思う」
「でも、あの人が加害に走った理由もわかるんだ」
優しい聞き手と、元凶を憎みきれない私。
私を咎めたくない気持ちも、痛いほどわかって。
それは私も、いち聞き手だからで。
あなたも同じように、理不尽を飲み込んできたからで。
癒す者同士の、堂々巡りの会話
出口の見えない、被虐者の甘さ
厳しさを持てない、洗脳の行く末に
私たちは、共感だけを生き甲斐にしてしまった。
2/18/2023, 10:41:14 AM
今日にさようなら
幼少期に
夜になると「今」が消えてしまうことを知って
どうしようもなく寂しくなったことがあった
目の前には「明日」だけがあって
無くなっていく現在を
取り戻すことはできないとわかって
それがなぜか怖かった
素直に
「おやすみなさい」が
あの日は言えなかった。
2/17/2023, 10:53:32 AM
お気に入り
登録も追加も必要ない
些細なことをふたりで積み重ねたい
今日使った入浴剤の香りについて話して
一緒にお茶を飲みたい
「湯呑み、どれがいい?」
「陶芸体験で作ったこれ!」
「いつものやつだね」
「うん、育ててるの」
少し不恰好な湯呑みで
いれたてのお茶を啜った
「美味しゅうござんす」
「良きかな、ほな2杯目じゃ」
ふふ、と微笑む。
明日は何をしようか。