12/12/2022, 11:23:22 AM
心と心
何度かの相槌を打って
簡単に絡み合う共感が
どうして愛憎を生むのだろう?
どうしてそれ以上を求めてしまうのだろう?
自分も変われない、相手も変わらない。
それなら、生身の関わりもSNSのように
気の赴くままに切って、繋がって
好き放題にものを言おう。
人間なんて
その程度で生きればいい。
12/11/2022, 10:27:38 PM
何でもないフリ
丈夫な体は朝になると
ロボットのように動き出す
己の意志より強く
誰よりも弱い、人間らしい心を抱えて。
裸足のまま
埃を踏んで歩き出す
寝巻きを脱ぎ捨てて、鞄を掴んで
磨き忘れた靴を履いて
気温を感じない外に出る。
無人の部屋を背に
これからするべきことは...
あっけらかんとしよう
澄ました顔で会話をしよう
ほどよく軽口を叩いて
時には甘い言葉を吐いて
相談事は嫌味にならない程度に品よくまとめて
失敗は笑い話にして親近感を得よう
したたかな生き方を
大人になったと勘違いして。
本当は何も取り繕いたくなんかないのにな。
いつからこんなに
口を噤むようになったんだろう?
12/10/2022, 6:54:12 PM
仲間
類は友を呼ぶから
敢えて離れてみた
膨れ上がった自尊心が
周りを作るなんて
耐えられないから。
12/9/2022, 12:26:28 PM
手を繋いで
通知はいつも通りの淡白なメッセージ。
慣れた味気なさに、無関心の予兆と小さな恐怖心がじわりと滲んだ。
日を重ねるごとに頭を占めていく不安感が厄介だ。
ただの心配性?
手が震えて止まらない。
寒いからだ。きっとそうだ。
白い息が空に登っては消えていく。
不意に背後で砂利を踏み締める音がした。
「待った?帰ろ」
夕冷えの空気を暖めるような、柔らかい中低音が心地いい。
「うん」
手の震えは、もう無くなっていた。
12/8/2022, 1:12:03 PM
ありがとう、ごめんね
ありきたりな口上に
不覚にも動揺した
素直に受け取るか
顔も見たくないと跳ね除けるか
礼を言われる筋合いもないのに
少しばかり大人ぶったアンタを
惰性で捨てられない。