手を繋いで通知はいつも通りの淡白なメッセージ。慣れた味気なさに、無関心の予兆と小さな恐怖心がじわりと滲んだ。日を重ねるごとに頭を占めていく不安感が厄介だ。ただの心配性?手が震えて止まらない。寒いからだ。きっとそうだ。白い息が空に登っては消えていく。不意に背後で砂利を踏み締める音がした。「待った?帰ろ」夕冷えの空気を暖めるような、柔らかい中低音が心地いい。「うん」手の震えは、もう無くなっていた。
12/9/2022, 12:26:28 PM