アクリル

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12/10/2022, 6:54:12 PM

仲間


類は友を呼ぶから
敢えて離れてみた

膨れ上がった自尊心が
周りを作るなんて
耐えられないから。

12/9/2022, 12:26:28 PM

手を繋いで


通知はいつも通りの淡白なメッセージ。

慣れた味気なさに、無関心の予兆と小さな恐怖心がじわりと滲んだ。
日を重ねるごとに頭を占めていく不安感が厄介だ。

ただの心配性?

手が震えて止まらない。
寒いからだ。きっとそうだ。

白い息が空に登っては消えていく。


不意に背後で砂利を踏み締める音がした。

「待った?帰ろ」

夕冷えの空気を暖めるような、柔らかい中低音が心地いい。

「うん」

手の震えは、もう無くなっていた。

12/8/2022, 1:12:03 PM

ありがとう、ごめんね


ありきたりな口上に
不覚にも動揺した
 
素直に受け取るか 
顔も見たくないと跳ね除けるか

礼を言われる筋合いもないのに
少しばかり大人ぶったアンタを

惰性で捨てられない。

12/7/2022, 3:11:54 PM

部屋の片隅で


四肢を投げ出して、天井を見ていた

捨て損ねたゴミ袋 溜まった洗濯物

分刻みで設定したアラームも
スヌーズのまま止まらない

全て無視して 震える手で
耳を塞いで蹲っていた

こうしている間にも
周りは生き抜いている
社会は動いている

みんな、生きているのに

私だけがゾンビみたいだ
生きてるなんて思えないや


西日が刺してきた
また生き延びてしまった。

12/6/2022, 11:45:57 AM

逆さま


吊られている
視界が欠けていく

忘れていたはずの光景が噴出する
あの日の、あの場所の...

あの子の顔と
あいつらの声

こんな終わり方
心地良いとは言えないな

誰だろうか?
この方法が適切だなんて
真っ赤な嘘をついたのは。

これじゃあきっと
あの子のもとへは逝けないな



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