お題:窓から見える景色
この窓から見える景色はどんなものだろう?
昔は家の窓から見える景色が好きだった。
何の変哲もないただの田舎の風景、ご近所さんが井戸端会議したり、子ども達の遊ぶ姿、猫の日向ぼっこ。
でも病気で見えづらくなった。
今窓から見てるこの景色は人とは違う景色だろう。
いつも、いつも、怖くて堪らない。
いつ見えなくなるのかなそんな事ばかり考えてしまう。
窓から見る景色が好きだったのに、今は辛くて辛くて仕方ないよ。
「大丈夫今日もまだ見えてる、大丈夫」
私はいつも同じように窓を開けた。
視界に映るのは黒い靄ばかり…
お題:形のないもの
曾祖母は時々遠くを見てる人だった。
「ねぇ、ひぃばあちゃんいつも何を見てるの?」
『ふふ秘密だよ』
曾祖母はかなり高齢だった百歳近くになったはずだ。
小学校低学年ぐらいだった、私は曾祖母に訪ねたことがあった。
しかし曾祖母はこの質問にだけは答えることはなくいつも曖昧笑っていた。
何となくだが曾祖母は遠く見てる時幸せそうだった。
そして私が小学校の高学年になった時曾祖母は亡くなった。
ここからは遠くを見つめていた曾祖母が何を見ていたのかを私なりに考えたことだ。
恐らく曾祖母は亡き曾祖父が近くに来ていたのではないだろうかと思っている。
曾祖母が亡くなる直前に誰かと会話しているのを聞いた。
私は曾祖母は厳しいけど、優しい人だった印象をその会話を聞くまで持っていた。
でも会話までは邪推なので聞かなかった、しかし曾祖母は恋してるように楽しそうな様子で誰かと会話していた。
曾祖父は曾祖母より若く亡くなったのは聞いていた。
二人ともおしどり夫婦と呼ばれるほど仲が良かった。
恐らくだが、曽祖父が時々曾祖母に会いに来てたなのかと思う。
遠く見つめていた後の曾祖母は、いつもどこか嬉しそうだった。
私は実際に曾祖父を見ていたわけじゃない。
でもあの2人の仲の良さは目には見えなかったけど、凄く想い合っていたのだろう。
「今頃、極楽浄土で会えたのかな」
お墓に参りながら私は思った。
愛は形のないものだがあの2人のように想い合える人に出会えたらきっと幸せなことだろう。
まぁ私は人生で一度も想い合える人に出会えてないけどね。
お題:ジャングルジム
ジャングルジム登ってみたかった記憶がある。
ジャングルジムに登りたかった、でも歳上のお兄さん達が頂上にいた。
僕はいつも頂上にいる人をジャングルジム下から見ていた。
ジャングルジムも近年は見かけない。
そもそも公園の遊具も全然見なくなった。
危険な遊具として排除や老朽化で遊具も少しずつ消えているようだ。
いつか見つけたら登ってみようか?
あっでも、見かけて登った一言はきっとこう言うんだろう。
「うわ、ジャングルジムめっちゃ熱いな」
昔に比べて外の気温も上がった。
後どれくらい子どもたちは外で遊べるのだろうか?
今の子ども達と僕が幼い頃の外での遊び方は違うのだろうな。
そもそも外で遊んでるのかな?
いつも仕事ばかりで、そんな小さなことにも見なくなっていた。
そんな事もわからなく、なるほど僕はジャングルジムやブランコやシーソーにも興味が無くなってたのだ。
あぁ人はこうして大人になっていくのかな。
お題:声が聞こえる
目を閉じると声が聞こえる。
子どもの声だ、泣き叫ぶ声だ…
「痛い、痛い、寒ぃよぉ」
やめろ、やめろ、やめてくれ!!
そんな声を出さないでくれ。
私はお前の声聞きたくないんだ!!
「どうして、どうして酷いことするの…苦しいよ」
何なんだ、一体誰なんだお前は!!
私に、私がお前に何したっていうんだ!
「悲しいよ、哀しいね…」
頼む、頼むから喋るな。
「私も置いていくのぉ?」『えっ?』
そこには瞼の裏に幼い頃の私が泣いていた…
私は一体何を置いてきてしまったのだろうか?
お題:秋恋
秋の恋は本気になりやすいらしい。
何でも女の服装にグッと来るやら、冬にクリスマスやらのイベントが続くから、夏の恋より長く続くみたいだ。
季節関係なく美味しいそうに食べる君を見てると幸せになる。
でも、そうだな秋は特に美味しい物がたくさん増える。
そして、それを食べる時の君はいつにも増して幸せそう。
季節関係なく、キミが大好き。
でも秋は特に幸せそうなキミが見れるから一番好きな季節だ。
さて、何を一緒に食べようか?