真っ暗な空間で何日ほど経ったのだろう?
ずっと暗闇に居るので時折届く光がとても眩しく感じる。
なるべく動かないで安全を確保しているが、その光が届く時に一緒に流れ込んでくる流水はその安全すらを流してしまう。
何度目かの光と流水が襲ってきた時に、聴き慣れた声が一緒に入ってきた。
すぐに暗闇になってしまう。
眩しさを我慢して辺りを見回し、鉄を探す。
暗闇になったあと、相手の名前を呼びながら鉄同士をぶつけ火花を散らす。
小さな火花でも暗闇でなら見つけられる。
さぁ光輝け、暗闇で目印となれ。
相手がそこに辿り着くまで火花を散らし続けた。
(光輝け、暗闇で)
ピノキオのオマージュ、ジェペット爺さんの閃きで暗闇内でも合流出来たようです。
ちょうど仕事帰りで良かったとアセチレンガスのボンベと高濃度酸素のボンベを下ろす。
ワニバサミ型の罠は鋳造鉄だろうからすぐに溶断出来るだろう。
溶接機にホースを繋ぎ、ガスと酸素を混合させて火をつける。
慎重に、足を焼かないように、素早く鉄を溶断した。
ロック機構部分を切ったのですぐに罠は意味をなさなくなり口を開ける。
罠に捕まっていた鶴は逃げようとして、高濃度酸素のボンベを倒しながら勢い良く羽ばたいて行った。
まずい。シュウシュウと高濃度酸素が漏れる音がしている。
ボンッ!!!!!!!!!!!
(酸素)
鶴の恩返しのオマージュ、高濃度酸素ボンベは転倒・衝撃に弱く吹き飛ぶと危険です。
いくつかのファイルを持って閲覧席へ向かう。
大事な大事なファイルを汚さない様に綿の手袋をはめて、マスクを着用して1ページずつめくっていく。
このファイルは記憶だ。
広大な記憶の海から当てはまりそうな記憶をピックアップしてそれらを閲覧し最適な記憶を見つけるのが自分の仕事。
そしてこの記憶の海は数秒毎に変化し続ける。
さっきまであった記憶がどこに紛れ込んだのか分からなくなることもある。
今回の記憶はそこまで移動することの無い記憶だからすぐ見つかったけど。
うん、これが最適な記憶だ。
該当ファイルを次の作業員に渡して残ったファイルをまた記憶の海へ戻していく。
そうしたらまた次のファイルを探しに行く。
(記憶の海)
脳内で働く海馬さんのお仕事の様子。(はたらく〇胞読んだせいだなこりゃ)
私には無数の目がある。
腕にも腹にも背中にも足にも。
東西南北天地六方を常に見ている。
が、目が無数にある事はそんなにいい事ばかりではない。
出会う人にはまず気味悪がられ避けられ罵られる。
恋した相手にも同じだ。
けれども、本当はただ君だけを、君の姿だけをこの目で見ていたい。
(ただ君だけ)
妖怪・百目鬼の恋物語っぽいお話。
助けた亀に渡されたチケットの文字は不可解な文字で解読出来なかった。
数字は読めたので、おそらく日にちだろうと思い、その日にちになるまで待った。
遂にその日にちだろうと思う日に海辺へやってきた。
そこには1隻の船が停留しており、チケットを見せるとそのまま船に乗せられた。
船には亀が待っていた。
コレは未来への船だと亀が言った。
これから数百年、数千年先へ向かうのだという。
(未来への船)
浦島太郎のオマージュ、竜宮城ではなく船に乗せられたバージョン。