襖1枚挟んで家主が居る。
罠にかかった私を助けてくれた時から一目惚れしてしまった。
もうひと目逢いたくて家を訪ねてきたは良いけれど、何も考えていなくて咄嗟に「道に迷って、泊めてほしい」と言ってしまった。
お礼も何も用意してない事にも気付き、慌てて機織りをすると言ってしまったが、機織りなんて初めて触る。遠目で見た事があるくらいでどうやっているかも知らないのに。
「大丈夫ですか?」と襖の向こうから声がする。
「だだだ、大丈夫ですっ」と慌てて声を返す。
あぁ、好きになった人に心配してもらっている。
落ち着け落ち着け、まずは目の前の問題を解決しなくちゃ。機織りをしている風にでもしなくちゃ。
……もういっその事、真実を打ち明けて好きですって伝えちゃおうかな?その方が楽になれる気がする。
(好きだよ)
鶴の恩返しのオマージュ、助けられた事より一目惚れで訪ねて来た鶴のようす。
桃太郎さん桃太郎さん、お腰に着けたきびだんご1つ私にくださいな。
あのぉ…大変言い難いんだが、きびだんごは無いんだ。
えっ?
これなぁ、桜餅なんだよ。
じゃぁ要らないや。
(桜)
桃太郎のオマージュ、桜餅美味しいもんね。
「川を流れている間暇だったんだ。一緒に流れる君と会えて良かった」
「どこまで流れるんだろうね僕達」
しばらく流れた先で洗濯中のおばあさんが見えてきました。
「おや、大きな桃とお椀?」
おばあさん考えます。
「どちらかしか取れないねぇ」
空を見上げながらうーんと考えるおばあさんの横をどんぶらこどんぶらこと通り過ぎる桃とお椀。
「拾われなかったね?」
「だねぇ。まだまだ君と一緒に流れれるね」
(君と)
桃太郎と一寸法師の合体話、おばあさん拾うタイミング逃しちゃったもよう。
雲を突き抜け空へ向かって伸びた豆の木は遂に大気圏を越えて宇宙空間まで伸びた。
「いやいや、伸びすぎでしょ」
と、望遠鏡から目を離し空を見上げる。
成長はまだ止まっていないのは幹を見れば分かる。毎秒10cm程度だろうか?
どこまで伸びるのか?宇宙空間で光合成はできるのか?耐熱耐寒性は大丈夫だろうか?
そんな事を思いながらまた望遠鏡を覗く。
(空に向かって)
ジャックと豆の木のオマージュ、豆の木の成長が止まらない様子。
最近、妻の様子がおかしい気がする。
雀のお宿で葛龍(つづら)を貰って開けて魑魅魍魎が出てきてから今までと全く性格も何も変わってしまった。
最近はと言うと、「鬼の洗濯屋をはじめまして」と言ったり「猫又のカフェをはじめまして」と言ったり「髑髏のダイエット教室をはじめまして」と言ったり…魑魅魍魎達に仕事をさせているのだ。
しかも何故か人気なのだ。
一体何があったのかわ分からないが、あの意地悪な性格の時よりは断然良い生活になっている。
(はじめまして)
舌切り雀のオマージュ、意地悪婆さん性格変わって魑魅魍魎達すら使役しはじめました。