ぽんこっぅ

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3/27/2025, 12:34:55 PM

「枯れ木に花を咲かしましょー」
と掛け声をしながら、脇に抱えたカゴから大量の灰を撒く。
ただの灰ではない。特別な、特別な灰だ。
撒いた灰は風に乗り辺りの木に飛んでいく。
葉っぱも何も無い、枯れかけた木はたちまちに花を咲かせ春爛漫に参加する。

が、その木はその後一日ともたず根から完全に枯れてしまう。
最後の最期の生命力を無理に使って花を咲かせているのだろう。
散り際、枯れ際の一瞬に儚く春を見る。
(春爛漫)

花咲かじいさんのオマージュ、咲いた後の物語。

3/26/2025, 12:57:30 PM

かぐや姫様が出したお題に答えなくてはこの先の進展は無いという。
どのようなお題が出ているのだろうか?

『正六面体を正確に七色に塗り分けよ』

六面しか無いものを七色に?
これは悩む者が続出するのも無理はない。
かくいう自分もその1人となった。
(七色)

かぐや姫のオマージュ、ひとつのお題で超難関なお題を出された人達。

3/25/2025, 12:48:28 PM

最初の獲物は、子ブタ共だった。
次の獲物は、森にひとりで住むババアとそこを訪ねてくる幼女だった。
更に次の獲物は、留守番中の子羊共だった。
更に次は…その次は…

目が覚める。辺りは静かでまだ日は上っていないようだ。
「久しぶりに嫌な夢を見たな」
そうつぶやきながら凝り固まった体を伸ばす。
獲物を襲い成功したと思ったら、だいたい酷い目にあい命を落とす。
そしてその記憶を継いだまま別の所で生き返る。
幾度も繰り返している。
今日のようにその記憶が夢に出るとその日から1週間以内に同じように獲物を襲ったあと命を落とす。
また記憶が増えるな、と思いながら今日を生きる為に獲物を探しに行動を始める。
(記憶)

物語のオオカミの記憶、死んでは生き返ってを繰り返すオオカミの話。

3/24/2025, 12:56:44 PM

「もう二度としないって言ったよね?」
そう相手を縄で縛り上げ首元にナイフを沿わす。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
と、相手は命乞いを始めるが、もう二度としないと言った約束を破ったのだから…

「そのへんにしといてやりなさい」
と、後ろから声がかかりナイフを取り上げられる。
おばあちゃんがそこには立っていて、取り上げたナイフをケースに戻している。

「オオカミだって生きるのに必死なのさ」
そう言いながら縄を解く。

「でもね、もう二度としないと言った約束を破った道理は通してもらうよ」
おばあちゃんはそう言いながらオオカミの口に輪をはめた。
オオカミの口はもう二度と開かない。

赤い頭巾を破った一族に近づいたオオカミ達はいつもこうして躾られるのでした。
(もう二度と)

赤ずきんちゃんのオマージュ、おばあちゃん強かったバージョン

3/23/2025, 11:59:50 AM

ふふふ、これは勝ったぞ。
地上には太陽の光が届かないくらいに雲った空。
風も吹き放題、雨も降らし放題。
どれだけ太陽が頑張っても旅人へは届かない。
旅人は暴風雨から逃げて小屋に逃げ込んだようだ。
小屋の中で濡れた服を脱いでいるのが窓から見える。

服を脱がした方が勝ちというルール上、そこまでの過程はどうでもいいのだ。
北風は勝ち誇って更に曇りの空を暗くするのだった。
(雲り)

北風と太陽のオマージュ、北風が勝っちゃったバージョン

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