ハッとして起き上がる。
背中が痛いのは周りを見ればすぐ分かる事だった。
なぜ俺は野外で地面に寝ているんだ?
ここはどこだろう?山の中のようだが、どの山なのかは一切分からない。
立ち上がろうとして、手に持った物に気付く。
トランプのカードが5枚。
そういえばトランプゲームをさせられる夢を見ていたなと思い、ただその手に握ったトランプは一体どこからだ?と疑問が増える。
全てがハートのキングの5枚のトランプを地面に置き、標高が高いであろう方向に向かって歩き出す。
木の枝の間から見える白ぼけた空と自分が歩く音だけが響く静かな夜明けだった。
(静かな夜明け)
昨日の投稿の続きネタ、どうやらトランプゲームで勝てたようです。
女王のような格好の巨大な顔の人物が目の前に居る。
トランプでゲームをして勝てれば帰してくれるというのだが、目の前の人物は堂々とイカサマを行い、こちらに対してはイカサマでも何もない運をイカサマだと言い、やり直しをさせてくる始末である。
目の前の人物が手札の要らない1枚カードを場に捨て、山札から1枚捲り手札に加え
「揃ったわ」
と一声言い、手札を場に広げる。
全て「ハートのA」である。役はheart to heart。
このイカれた頭のイカれたイカサマゲームをどうクリアするか、自分は助かるのだろうか?
(heart to heart)
不思議の国のアリスのオマージュ、ハートの女王と対峙してカードゲームを。
「マッチは要りませんか?」
そう雪の降る街頭でマッチを売ろうとしている少女が居ました。
ですが、売行きは全くと言っていいほど無く、このままでは凍え死んでしまいそうです。
「なにか他の売り方を考えなくちゃ」
そう思い少女は今日の販売は取り止めて裏路地へと向かいます。
人気のない裏路地は治安が良くありませんが家への近道なのです。
少女は時々感じる視線に気付かないふりをしながら、それでも身体は早歩きになって行きます。
もう少しで裏路地を抜け切るかという時、後ろから勢いよく何かにぶつかられました。
おそらく視線を送っていた人でしょうか。
次の日からマッチを売っていた少女は街頭に居なくなり、代わりに路地裏の出口に毎日の様に花束が置かれるようになりました。
いつ置きに来ているのかも分からない永遠の花束は、ここで起きた惨劇を街に知らせているのでした。
(永遠の花束)
マッチ売りの少女のオマージュ、不幸な出来事の証の花束。
目の前で転んだ女性を助け、1番近い安全な場所までサポートする。
その間、必死に腕にしがみつき足をガクガク震わせながらどうにかもう転ばないようにと踏ん張っていた女性。
安全な場所で姿勢が安定するとこちらをキッと睨むように視線を鋭くし
「あなた!私より滑れるからといってやさしくしないで!!」
と文句を言い出した。
意外だった。雪女なのだからウインタースポーツは得意かと思ってスケートリンクへ連れてきたがまさか滑れないとは。
「私は雪山出身よ?雪上なら自由だけど氷は範囲外なのよ」
そう言われて妙に納得がいった。
じゃぁ、今度はスキー場に行こうかと提案する。
「ソリで滑れるところにしてちょうだい!」
………ソリで??
(やさしくしないで)
雪女のオマージュ、運動苦手なようです。
ある日おじさんが店に現れなかった。
不思議に思い、居場所を離れて普段おじさんが立っている辺りに移動する。
すると、おじさんがいつも持っている鏝の下に置かれた手紙がある事に気が付いた。
隠された手紙なのか、ただの重しに鏝を置いただけなのかは分からないが、その手紙を読んでみる。
人の字はあまり得意ではないが、何とか読み解く。
そして、僕は店の出入口を見て少しの躊躇いの後店を飛び出した。急いで跳ねるように移動を続ける。
ただ、このような行動は初めてだし、店の外の事は少ししか知らない。
それもあってか少しの傾斜に引かれ僕は海へ飛び込んでしまった。
もう戻れない。
(隠された手紙)
泳げたいやき君のオマージュ、手紙の内容は知らないがなにかあったのだろう。