ぽんこっぅ

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1/31/2025, 12:15:42 PM

腹が減ってちょうど流れてた桃に針の剣の刺して実を食っていたのは悪かったが、自分は都へ向けて旅の途中なのだ。桃から出てきたソイツに鬼退治はさせてくれ。あと、出来ればでいいのだが元のお椀の舟の代わりになるお椀を頂けると有難いのだが。
そうして、翌日小さい侍はお椀に乗ってまた流れて行った。

それから数年後、桃から出てきたヤツこと桃太郎は鬼退治に向け旅に出た。途中でお供を増やしつつ港まで来た時に、見知らぬ誰かから声を掛けられた。
数年前、自分が生まれた時に一緒に居たというその人は、針のように細い刀を携えた侍の格好をしており、懐から旅の途中に食べるといいと桃を出てきた。

舟旅は順調に鬼ヶ島へ向けて進むのでした。
(旅の途中)

一寸法師と桃太郎のオマージュ、水上を旅する場面がある2つの物語の邂逅。

1/30/2025, 12:24:31 PM

あぁそうさ、この家に居た老婆はもう腹の中さ。その事をまだ知らない君が来るのを布団に隠れて待っているのさ。

今日はこの家を襲うか。しかしこの家はレンガ造りか。吹き飛ばせないのならいつもの様に煙突から入り込んでやるさ。

この家には老婆が1人で住んでたはずで、赤い頭巾を被った子供がよく訪れて居るのは確認済みだ。ならばやる事は1つ赤い頭巾を被って子供の声でドアをノックするだけだ。

まだ何も知らない狼3匹、一斉に顔を見合わせてどんちゃん騒ぎ。しばらくしたらまた静寂が訪れるのでした。
(まだ知らない君)

赤ずきんちゃん、3匹のこぶた、7匹の子ヤギより狼3匹の鉢合わせ。この3匹がどうなったかはまだ知らない。

1/29/2025, 1:00:55 PM

急に風が強く吹いた。
急いで近くの木の下に入る。
風を遮るように風下に立つ。
しばらく吹いた風が止んだことを確認しまた歩き出す。

次はいきなり日が照りだし暑くなった。
適当な日陰を探し急いでその下に入る。
服を脱いで汗を拭く。
暑さは収まらない。

近くに居た人だろうか?急いで自分の居る日陰に走り込んできた。
息もきれぎれに慌てた様子である。
日陰に居ても暑さは襲って来る。逃げ場は無いようだが、日向より幾分かはマシなのだろう。

焦げ臭い臭いがしだした頃、また風が強く吹き出した。
(日陰)

北風と太陽のオマージュ、どちらもやり過ぎたバージョン

1/28/2025, 12:38:59 PM

最近ぐっと冷え込みが強くなり、被せてもらった笠ではもう寒さを堪えることが難しくなってきた。
吹き付ける風はより強く、元から硬い体をさらに硬くさせる。
手拭いから笠に替えてもらった末っ子が震える声で
「先日ね、たまにここに来る子狐君が手袋買いに行ったんだって。僕達も温かいの買いに行こうよ」
と提案しました。
「買いに行くって言っても、昼間は動けないじゃないか」
「子狐君も夜に買いに行ったって言ってたよ」
それなら、と翌日の夜に買いに行こうと決まりました。

そして翌日の夜、買い物から帰ってきたその頭には耳当て付きの温かいニット帽子。
帽子かぶって少し温かくなった地蔵達は今日も並んで居るのでした。
(帽子かぶって)

笠地蔵のオマージュ、末っ子だけ先端にぼんぼん付きのニット帽を買ってたらいいなぁ

1/27/2025, 12:48:44 PM

急いで大人を呼んで来なきゃ!
誰か1人でいい、誰でもいいから近くに居てくれ!

そう願いながら僕は走った。
だけど昼間のこの時間、大人は仕事に出ていてなかなか誰にも会わない。
急がなきゃ急がなきゃ。
走り疲れて息を整えていると釣竿を持った人が向こうから歩いてくるのが見えた。
急いで駆け寄る。
釣人は少し驚いた様子だったが小さな勇気を振り絞って伝える。
「向こうの砂浜でいじめっ子達が亀を!!」
そこまで言ったところで釣人は察したようだ。
「教えてくれてありがとう。助けに行こう」
釣人は砂浜に走っていった。
僕はその場で座り込んで震える手を落ち着かせるように深呼吸した。
(小さな勇気)

浦島太郎のオマージュ、亀イジメてた事を伝えに走った子の勇気。

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