足り過ぎた贅肉

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11/19/2024, 12:46:20 PM

今日は君がここに来た記念日だよと、キャンドルがたくさん刺さったホールケーキをリビングテーブルにドンと置いた。
いったい何本のキャンドルが刺さっているのか、もうケーキの上面が見えない。
そして、壁の燭台から火のついたキャンドルを1本持ってくるとケーキのキャンドルに近付けた。
一気に火がつき火柱が上がる。
ケーキのキャンドルなんて小さく揺れる火が可愛い位なのにこれはもはや火事だ。
さぁ吹き消してと言われるが、そもそも近付けない。
このままじゃケーキが焦げちゃうよアリス?
と、無邪気な顔をしてチェシャ猫が顔を覗き込んでくる。
キャンドルの火の熱波に顔をしかめつつ、いつか火が消える事だけを祈っていた。
(キャンドル)

不思議の国のアリスのオマージュ、早く消して。

11/18/2024, 12:21:17 PM

奴が教会に行っているうちに屋敷の掃除をしていたところ、奴が書いていたであろう日記のような物を見つけた。
日記のような物というのには訳があり、ものすごい期間が空いて書かれているからだ。
内容を見るに、特に大事な出来事のたくさんの想い出が書かれているようで、最初の方のページには使い魔のコウモリが出来た事や、知人の死に関しての事柄が書かれていた。いつ頃書かれた物なのだろうか?
ペラペラとページを飛ばし見て行くと、途中から何も書かれていないページが続く。
書くことに飽きたのか、書くような事が無くなったのか。

ただ、後ろのページの方に新しい紙が追加されたような色味が違うページがある。
そこまで捲って、新しいインクで書かれた文字を見つけた。
少し読み、溜息をつく。
『新しいヴァンパイアハンターがやって来た。住人達に受け入れてもらえるだろうか?良い子だろうか?惰性で生きるワタシに望みはあるだろうか?』
そんな事が書かれている。
自分の事より、オレの事を気にかけている文章だ。

全く、こんな事を書かれたくらいでオレのハンターとしての使命は折れないぞ!…まぁ奴の想い出の一部にもうなってはいるのだろうけど。
(たくさんの想い出)

大丈夫だよ吸血鬼さん、ハンター君は良い子のようだよ。

11/17/2024, 12:33:46 PM

冬になったら雪が降る。
今年はどのくらい積もるだろう?
この高い高い塔の上まで積もってくれればなぁと窓の外を眺めつつ温かい紅茶を飲む。
そうだ、冬の間の分の食糧と暖炉の薪とあたたかい服を用意しないと行けないんだったわ。
髪の毛をフックにかけてスルスルと地に降りる。
薪は塔の中の貯蔵スペースにコツコツと貯めていたからそこまで急いで用意する必要は無さそうだ。
あたたかい服を塔の外付け小屋から出して上の部屋まで持ち上げる。
食糧は、ネットスーパーで頼んじゃおう。ついでに新しい布団も頼んじゃおう。
部屋に戻って、少しぬるくなった紅茶を温め直しにコンロに火を入れる。
開けっ放しの窓から吹き込んだ風に吊り下げたフライパンがカラコロと音を鳴らし、部屋の気温が下がった気がした。
(冬になったら)

塔の上のラプンツェルのオマージュ、ちょっとだけ近代化したもよう

11/16/2024, 1:26:56 PM

あら、アンタも旦那と離れて暮らすようになったの?
織姫がお酒の入ったグラスを傾けつつ話しに加わって来た。
ええ、冬の間は部屋が寒すぎて旦那が死んじゃいそうになるし、夏の間は暑くて私が死にそうになるから、選択制別居ってやつね。
そう雪女が答える。
はなればなれで暮らすとして、寂しくないの?
そう2人に聞くと、2人とも間髪入れずに全然!!と答えた。
はなればなれになったと言って愛情が無くなるわけじゃないし、時間を気にせずにこうやって飲み歩けるからね!
2人とも、酔っ払っているのは確かだった。
アナタも別居すれば分かるわよぉ。
そういってグラスにお酒を注がれる。
グラスを見つめながら少し考える。
うん、試しに別居ってのも選択肢に入れてみるのも良いかもしれない。はなればなれになって旦那が寂しがらないか心配だけどね。
そして一気にお酒を飲み干した。
(はなればなれ)

織姫と雪女に相談を持ちかける誰かの話。
はなればなれになっている夫婦の妻側同士の飲み会の様子。

11/15/2024, 12:17:25 PM

♪迷子の迷子の子猫ちゃん
「何をもって迷子と決めたのか」
♪あなたのお家はどこですか?お家を聞いてもわからない
「野良猫である可能性が高い」
♪名前を聞いてもわからない
「名前が付いている前提で聞くな」
♪ニャンニャンニャニャーンニャンニャンニャニャーン泣いてばかりいる子猫ちゃん
「猫なんだからニャンニャン鳴くだろう」
♪犬のおまわりさん
「警察犬だとしたら、パートナーはどこ?」
♪困ってしまってワンワンワワーンワンワンワワーン
「警察犬が鳴く場合、パートナーに異常を知らす合図」

いや、童謡歌ってる時の相槌にマジレスぶっ込んで来んなや。
(子猫)

犬のおまわりさんを歌う我が子に突っ込まれた思い出。

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