足り過ぎた贅肉

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10/15/2024, 1:28:14 PM

ジッと鋭い視線をぶつける。
今の気分、体調、懐具合と相談しながら陳列された品を見定める。
このコーナーに立ってからもう5分くらい経っている。決まらない。
周りからの邪魔だなという鋭い視線を感じながらも、自分の納得する物を選びたいのだ。
1度目を閉じて深呼吸する。
考え抜いた末にある1品に鋭い視線を集中させる。

よし、今日はこのモンブランケーキにしよう。
(鋭い視線)
秋らしくモンブランケーキが沢山売られていますね。

10/14/2024, 11:12:35 AM

朝起きたら庭に大きな大きな木が育っていた。
雲の上まで高く高く伸びているその木はまだ育っているようで軋む音と共に樹皮が上へと上がっていく。
周りの土の栄養と、水分が心配だ。
近所の人も何事かと集まりだしている。
訳を話し近所中の除草剤を掻き集めてもらった。
協力して撒き終えると徐々に成長が止まっていき、急激に茶色く枯れだした。
支えが効かなくなったのかその木はゆっくりと傾き出している。倒れたら甚大な被害が出るだろう。
除草剤の代金も、被害への損害賠償も考えるだけでも高く高く想像できない額だろう。
(高く高く)

ジャックと豆の木のオマージュ、登らなかった場合

10/13/2024, 2:48:57 PM

もういい大人なんだから、いつまでも落ち込んでないで働いて来なさい!
そう言われていつも木を切っている山へ出てきた。
先日この山にある池に斧を落としてしまったのが原因で落ち込んでいたわけだ。落とした斧は普通の鉄の斧だが、この仕事に就く際に買って今まで使ってきた唯一の斧だった。
今日は祖父が使っていた斧を借りて来た。
祖父も若い頃にこの池に斧を落としたことがあると言っていた。そしてボケて亡くなる直前に「暖炉の上の金銀の斧は池に住む神様に貰った物だから家宝として大事にしなさい」と言っていた。
自分が落とした時には何も起こらなかったのだし、池に住む神様なんて迷信だと思っていた。
木を切る気にもなれず池まで来た時に、池のほとりに見覚えのある斧が置かれていた。手に取ってしっかりと握り込む。間違いない自分の斧だ。
子供のように今まで落ち込んでいた気分が晴れ、子供のようにうかれて、そのまま子供のように池に落っこちた。斧を持ったままで…
(子供のように)

金の斧銀の斧のオマージュ、最後ホラー気味

10/12/2024, 12:10:16 PM

学校の帰りの会が終わったらすぐに校庭に集まる。
いつものメンバーがどんどん集まって、今日はなんの遊びをするか相談が始まる。
放課後は宿題より遊びが優先されるのは当たり前だ。
ランドセルが積み上げられた校庭に夕日が射すまでの自由な放課後を遊び尽くそう。
(放課後)

10/11/2024, 1:28:13 PM

ステージのカーテンが少しずつ上がっていく。
その隙間から割れんばかりのカーテンコールが聞こえる。焦らすかのようにゆっくりとカーテンが上がっていく。
ステージ上の演者達はそのコールに応えるように胸を張って満面の笑みを浮かべている。
カーテンが上がり切り、1列にキレイに並んだ舞台監督と演者達が深々とお辞儀をする。
観客の大声援を惜しむかのようにゆっくりとゆっくりとカーテンが下りてくる。
(カーテン)

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