足り過ぎた贅肉

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もういい大人なんだから、いつまでも落ち込んでないで働いて来なさい!
そう言われていつも木を切っている山へ出てきた。
先日この山にある池に斧を落としてしまったのが原因で落ち込んでいたわけだ。落とした斧は普通の鉄の斧だが、この仕事に就く際に買って今まで使ってきた唯一の斧だった。
今日は祖父が使っていた斧を借りて来た。
祖父も若い頃にこの池に斧を落としたことがあると言っていた。そしてボケて亡くなる直前に「暖炉の上の金銀の斧は池に住む神様に貰った物だから家宝として大事にしなさい」と言っていた。
自分が落とした時には何も起こらなかったのだし、池に住む神様なんて迷信だと思っていた。
木を切る気にもなれず池まで来た時に、池のほとりに見覚えのある斧が置かれていた。手に取ってしっかりと握り込む。間違いない自分の斧だ。
子供のように今まで落ち込んでいた気分が晴れ、子供のようにうかれて、そのまま子供のように池に落っこちた。斧を持ったままで…
(子供のように)

金の斧銀の斧のオマージュ、最後ホラー気味

10/13/2024, 2:48:57 PM