手放す勇気
今あなたは怒りのメガネをかけています。だから何も言ってはいけません。他人に何か言ったならそれは決して言ってはならない言葉になる。
私自身考えても妄想してもいけません。考えてはいけない、妄想してはいけない事ばかりを行う羽目になる。
怒りを手放す事は欲を手放す事です。自分は欲の塊です。
本には沢山の教えが書いてあります。
日々修行と戒めた側から大声で怒り狂う自分が居ます。
手放すべきなのは自分自身です。
どうしたら自分自身を手放すことができるのでしょうか?
あれが欲しい、あれが食べたい、あゝして欲しい、あんなこと言って欲しい…。
生きる事は欲との戦いなのでしょうか?
その欲が無くなったら私自身生きていることになるのでしょうか?
わからないまま今日も怒りに抗う私です。
せめて怒りの色眼鏡を外す勇気を持ちたい。
記憶の海
初めての記憶はおかゆの味。少しだけ塩っぱいトロトロのおかゆ。
今のような離乳食なんて無いから…ただそれしか食べ物が無いという事だったんだろうな。
嬉しかった事は私の体の中で新しい命が息づいた事。初めての経験ただ涙が溢れた。
悲しみと苦しみの思い出しか無いと思ったらふっと嬉しかったことを思い出した。人は何故悲しい事ばかり思い出すのか?
中途半端に死を覚悟したのに、眩しい朝は馬鹿な私をさらけ出す。
少しづつ開き直っていく図太さで、
記憶の海を漂う。
微笑む顔に後悔はなさそうだ。
最後の記憶は海だと思った羊水の中で安心しきった命の始まり。
ただ君だけ
過ぎた事は、忘れよう…と思っても何度も何度もリフレインする。
なんてひどいことをしてきたのだろう。
自分を暗闇に叩きつけるように次から次へと思い出される。
今、全て断ち切れるものは絶ったのにこんな私に寄り添う者が1人。
ただ君だけ…
今日の出来事を笑って話す。
つられて私も話すけど、私の目をあまり見ようとはしない。
なんで私は生きているんだろう。
怖い…。
人が自分が…怖い。
でも不思議…ただ君だけ怖くない。
木
私は生まれたときから細い木の運命
守られることもない細い枝は何度も折れそうになり、いつも支えを探していた。
ある時から仲間の細木が隣に居た。
細木同士だが二本なら少し強い。
支え合い3つの実がなった。
自分を維持するので精一杯なので、あまり栄養は与えられなかったが、
3つの実は強く育ち、ある日自分の力で直ぐ側に根付いた。
細木にも少なからず枝や葉が茂った
葉の栄養で強く太い木になるものなのに根が浅く太くなれない木は生きる為に葉を落とし枝を切って身軽になった。
3つの木たちにはこの木の気持ちはわからない。どんどん太く大きく育つ木の側で、相変わらず細い木は少しの風に折れそうに揺れる。
葉を落とし少しづつ枯れ始めているが細木は嬉しい。
たくましい3本の木を眺め微笑む。
ゆっくり死に向かう細木には未練はない。
思い出せば今まで辛かっただろうとこんな母木でごめんなさいと謝るしか無い。そんな事、とっくに乗り越えて忘れて今を精一杯生きていると木達は、沢山の枝や葉を揺らす。
その太い木には沢山の実がなっている。木たちは実に栄養を与え風から守り常に寄り添っている。
細木が枯れる頃側には沢山の実が根付くだろう。
未来への船
眩しい光の中、空に向かって真っ直ぐ向かう透明な船をあなたは見るだろう。
心には何も引っかかるものはない。
ただひたすらに光を、希望を、夢を目指して進むのだ。
振り返ればたくさんの笑顔が後ろに佇んでいるだろう。
1人ではない。
あなたを支え、応援し、共に戦う、夢追い人達が熱い心で寄り添うのだ
依存は無い。その孤独は強さの証。
胸の奥、静かに燃える炎を信じる。
未来への船を漕ぎ出そう。
覚悟
目を合わせないんだね。
分かってる、あまり一緒にいたくないんだね。
嫌われてるんだね、私。
覚悟を持つことの難しさを今、強く感じている。
1人で生きていくこと、人生の最後1人で耐えられるだろうか?
子供の頃から1人だったのに、そんな人ほど弱いのだ。
ずっとこんな思いで生きていくんだろう。
わからないまま、寂しいまま、不安なまま、いつの間にか月日は流れていくんだろう。
いつ覚悟は持てるのだろうか?
届かない
なんとなく目が彼を追っている。
通り過ぎた彼の後ろ姿を何時までも
ある日話が止まらなくて嬉しくて
お互いの瞳の中にお互いを見つける
好きかも…。
あっという間に壁は無くなり、手の大きさ、温かさ、力強さを知る。
私の不器用さや真っ直ぐな気持ちは広い心の彼に届き受け止めてもらえた。
時が流れ…会わない日々は心を変えていく。
それでも思った。もし最後の時は、一目だけでも貴方に会いたいと。
恋心はまだくすぶり続け心のずっと奥で燃え続けている事、貴方に伝えたくて…。
ある日訃報が届く。
この思いは届かなかった。
亡くなってから気づく、彼のメールを。
彼の思いは私には届かなかった。
お互い届かない思いを抱いていたのに、同じ思いだったことに今更ながらため息…。
私に届いたようにきっと届いているはず…
だって、前よりも近くに感じるんだもの…。