星に願って
子供の時は貧しかった。
貧しさは時代と共に変わって来ているから分かり合えないけど、どんな時も笑い飛ばし明るい貧乏生活を楽しむくらいに。
価値観は違って当たり前、それを受け止め認めて忘れないでね、愛情を。
困った事、大変な事、辛い事、人生はそんな事の連続。たまーにちょっと嬉しい事、楽しい事、笑っちゃう事がある。誰にでもどんな時でも。
その一瞬の喜びが生きる力をくれる。赤ちゃんが笑ってくれた、その嬉しさでその後の長い子育ての辛さも乗り越えられるように。
目が前についてるのは前向きに生きるため、強くなくてもいいからヘロヘロでヨロヨロで…それでも生きていれば良いことが必ず有るから。
太陽に月に星に山に海にいつも、いつまでも願い祈り時代を越えて今ここに生かされて私がいる。たぶん同じ星に願ったはず、100年前も200年前も…。きっとこれからも。
君の背中
私は男の背中を見るのが好きだ。
顔より背中の方が好きな事もある。
肉厚でガシッとして堂々としている。この背中についてくればなんにも心配いらないよって語っている。
絶対迷子にならないし不安にさせないと。
静かにたたずみ皆を見守るその背中に見惚れてしまう。
いつまでも見とれていたっけ…。
遠くから見つめていたら、突然振り返ったあなたの不思議そうな顔。
ねぇ、あなたの本心が背中にみえたら私は喜び?悲しみ?それとも…
遠く…
毎日おはよう…おやすみ、また明日
手を伸ばせばしっかり手を握ってくれて、あなたの温かい大きな手とまなざしが私の心を包み込んでくれた。
まだ私の手はあなたの背中の肌触りやホクロの位置も覚えてる。
何ものも入る隙間がないほど、私達はひとつになって生きていたね。
今遠く離れ2人の間に吹雪が吹き荒れている。身も心も凍えそう。
でもわかったの。
今の方があなたを近く感じることを
心で思っただけで、空にあなたを呼ぶだけで夢にでてきてくれる。
いつもあなたを感じている。
遠く近く…
誰も知らない秘密
誰も知らないから秘密と言う。
誰にでも子供でさえあるであろう秘密の事。
子供の時の秘密を一生抱えて生きることもあるだろう。
忘れたつもりの秘密も、押しつぶされそうな秘密も、誰にも言えず苦しむ事もあるだろう。
言えば楽になるのか?
忘れ去って無いことになれば秘密ではなくなる?
何年も忘れていたのに突然夢に現れる事がまま、ある。
リアルに突きつけられてフラッシュバック、なぜ、今?自分の何が呼び出した?
墓場まで持っていくと言ったあの秘密も、死ねば忘れられるの?それとも次の世までついてくるの?
自分の身体の細胞に入り込んだ誰も知らない秘密を、もう一人の自分だけが知っている。今日も知らないフリ、平気な顔で生きていく。
静かな夜明け
今思えば楽しい日々だった。
慟哭し泣き腫らした夜の孤独な日々も…笑うことや夢見ることを忘れていた日々も。
そんな日々があったから、お日様がじんわり暖かく希望を与えてくれる。
特に何もないけど、明るい日差しの中で青空を見上げ深呼吸する。
胸一杯の太陽の香り。それだけで生きていて良かったと…もう少し生きていようと、思えるのだ。
人間て単純でかわいいものなのだ。
嵐の後風がやみ、暗闇は次第に群青の空へそして薄紫から赤みがさして静かに夜明けが訪れる。
面白がって全てを受け流す。
笑い飛ばしてしまおう、バカな自分を。平気なフリで生きるには難しいけど…今、最後の夜が、静かに明けてゆく。