とりとめない話
朝が苦手です。学校も寝坊で休みすぎ退学予約のお声で頑張って起きました。彼氏の文化祭のステージデビュー、それも独唱…あとから聞いて拍手喝采!!誘われていたけどそれも寝坊…。パパと子供は早起き、私が頑張って起きても、もう誰も居なくて…。どうしようもない自分に呆れるけど、やっぱりどうしようもないんだ。
人間不信の私。
人に頼るのはもっと嫌い。
子供の親の会、何度か行った。
パニック発作、初めての息苦しさ。
子供の為と頑張ったけど無理。
子供が友達の車で送迎されるのは心苦しい。やめてと言った。人に頼るなと。苦労したと思う。私のせい、で嫌な思い沢山。でも何も言わない。子供達は優しい。どうしようもない自分に呆れるけど今更どうしようもない。
とりとめのない話…。
風邪
あれは小学五年生頃だったかな?
熱を出したのさ、39度と少し。風邪だったと思うけど、朦朧としてようやくトイレに歩ける程度。
熱に弱い私は38度位になると死にそうになる。
あの日もいつもの様に1人で寝ていた。子供が熱を出したくらいで仕事を休む親じゃない。父親はどっかでマージャンだろう。母親は夜中まで店を切り盛り私のことなど考える暇など無い。
突然ドアを叩く音がした。
ふらふらになりながらドアを開けたら、そこには5〜6人の兵隊が立っていた。とても古臭い出で立ちで、帽子を深く被り俯いて静かに立っていた。そこで私の記憶は途切れた。
どのくらい時間が経ったのか、気がつくと扉の前に倒れていた。扉は閉まっていたので夢を見たのかもしれないが、あまりにもリアルに覚えているのだった。
高熱を出す風邪には何かを招く事があるのだと…いや、あの時、あの世に私を連れに来たのかもしれない。
でもなぜ兵隊?
雪を待つ
夏生まれの私は冬が苦手。
何もしたくない…と、1日ストーブの前。結局運動不足でなまる、固まる、太る、関節が痛む、転ぶ。
ある日大雪、たっぷり着込んでえいっと気合いを入れ外に出る。
自分より大きなスコップで数倍重い雪をかく。あっという間に汗だくになり、家に戻って服を脱ぎタオルを巻いたり背中に入れたり、そして又雪をかく。
こんな思いをする雪なのに、なぜか降らないとさびしい。
いつまでも空を眺めてまだかな〜と、雪を待つ。
純白のふわふわ、世界の何処から流れてきたのか、不思議な形で私のもとにやってくる。
一期一会、一瞬の出会いのその刹那儚く消える運命の雪。
寒いのは嫌いなくせに、昔から憧れていた事がある。
誰も近寄らない山深い所に背中から降り積もった雪に倒れると自分の形で沈み込み私を全て受けとめ包み込んでくれる。真っ直ぐに目を開けると青空だけがそこにある。
そして私は静かに眠り2度と青空を見ることはない。
春になりそこにはどんな花を咲かそうか。
今年も私は雪を待つ。
イルミネーション
寒い…ほとんどの葉っぱは風に飛ばされてしまった。何十年この繰り返し。又冬が来る。昔はかなり高く雪が積もったっけ。雪が積もると夜でもどこまでも明るくて、しばれているのにほんわかと温かい気持ちになったものさ。もう若くないから枝の先は所々折れてしまって、体の皮も剥がれてきている。みすぼらしくなってしまったよ。でもまだまだ私はこの場所に居続けて見守るつもりさ。この道を通る子供達、一人暮らしでいつも声をかけてくれるお年寄のお友達。幼馴染の奴等も周りで頑張って風に立ち向かっているしな。
最近、急に慌ただしくなった。自分の周りで大勢の作業員が私の体に登ってくるのさ。『今年も頼むよ』なんて言いながら。くすぐったいたらありゃしないのだけれど、私までウキウキしてきて、冷たい風すら笑って抱きとめたくなるんだから。
あっという間に指の先から体中に線が巻かれて動きづらくなったと思ったら、夢でも見ているかのように輝き出したのさ。まばゆい光を放ち、空の星が落ちて私を見つけてくれたかのように。
命の限り輝こう、光は私の命の灯さ。私を見上げる者たちに届けよう。生きている素晴らしさを。光のイルミネーションと共に。
愛を注いで
子供が出来たと告げられた時、涙が溢れた。
この時の喜びは言葉に出来ない。
あまり愛されなかった。多分生まれた時分はみんなに可愛がられたと思う。いつからか物心ついた時にはいつもひとりぼっちだった。
大人になって欠けているものが多すぎる私に愛を注いでくれる人が現れて常に寄り添ってくれた。
なのに人間不信、子供嫌いの私は愛仕方が分からず…。
そんな私に子供が産まれると分かったとき、初めて愛というものの大きさ、強さ、揺るぎ無い思いを泉が湧くが如く肌で感じたのだ。
産まれた子供に可愛いとか愛するとか、考える暇もなく、日々今この時の目の前のあれやこれやをやり過ごすことで疲れ果てていた。
そんな私に愛を注いでくれたのが、小さな手でぎゅっと握ってくれる、天使のような笑顔で見つめてくれる赤ちゃん。
私に愛を教えてくれた。全身全霊で信じる事、守る事、待つこと、許す事、すべてを教え学ばせてくれた。
コップの水があふれるように、
次々と溢れ出す泉のように、
暖かいお日様が平等にすべての草花にあたたかさを分け与えるように、
私は愛を注げただろうか…。