雪を待つ
夏生まれの私は冬が苦手。
何もしたくない…と、1日ストーブの前。結局運動不足でなまる、固まる、太る、関節が痛む、転ぶ。
ある日大雪、たっぷり着込んでえいっと気合いを入れ外に出る。
自分より大きなスコップで数倍重い雪をかく。あっという間に汗だくになり、家に戻って服を脱ぎタオルを巻いたり背中に入れたり、そして又雪をかく。
こんな思いをする雪なのに、なぜか降らないとさびしい。
いつまでも空を眺めてまだかな〜と、雪を待つ。
純白のふわふわ、世界の何処から流れてきたのか、不思議な形で私のもとにやってくる。
一期一会、一瞬の出会いのその刹那儚く消える運命の雪。
寒いのは嫌いなくせに、昔から憧れていた事がある。
誰も近寄らない山深い所に背中から降り積もった雪に倒れると自分の形で沈み込み私を全て受けとめ包み込んでくれる。真っ直ぐに目を開けると青空だけがそこにある。
そして私は静かに眠り2度と青空を見ることはない。
春になりそこにはどんな花を咲かそうか。
今年も私は雪を待つ。
12/15/2024, 2:06:32 PM