愛を注いで
子供が出来たと告げられた時、涙が溢れた。
この時の喜びは言葉に出来ない。
あまり愛されなかった。多分生まれた時分はみんなに可愛がられたと思う。いつからか物心ついた時にはいつもひとりぼっちだった。
大人になって欠けているものが多すぎる私に愛を注いでくれる人が現れて常に寄り添ってくれた。
なのに人間不信、子供嫌いの私は愛仕方が分からず…。
そんな私に子供が産まれると分かったとき、初めて愛というものの大きさ、強さ、揺るぎ無い思いを泉が湧くが如く肌で感じたのだ。
産まれた子供に可愛いとか愛するとか、考える暇もなく、日々今この時の目の前のあれやこれやをやり過ごすことで疲れ果てていた。
そんな私に愛を注いでくれたのが、小さな手でぎゅっと握ってくれる、天使のような笑顔で見つめてくれる赤ちゃん。
私に愛を教えてくれた。全身全霊で信じる事、守る事、待つこと、許す事、すべてを教え学ばせてくれた。
コップの水があふれるように、
次々と溢れ出す泉のように、
暖かいお日様が平等にすべての草花にあたたかさを分け与えるように、
私は愛を注げただろうか…。
12/13/2024, 12:42:58 PM