太陽の下で
砂漠の民にとって又熱い国にとって、太陽は恨めしくもあり命を奪うかのようでもあり。
しかし極寒の民にとって又1年のほとんどが厚い雲に覆われた国に住まう者にとっては太陽は神であり、有り難い存在なのではないか。
地球に生きている生物全て太陽が存在しているから生きていられるのだ。しかしいつ太陽が爆発するか、フレアが突然飛び込むか、誰にもわからない。この一瞬が奇跡の時の中で私達はその重大さを忘れ、または気付かず、のほほんと生活しているのだ。
大きなことを言ったけど、今日もかなり日が高くなってからボーと起きて片目で眩しい太陽を見上げ背伸びして1日を始めている私なのだ。
そして、太陽の下で軽い体操をして
有り難いな〜とつぶやき、あったかい縁側で今日も朝イチのトマトジュースを飲むのであった。
落ちていく
今、落ちていく…今落ちている最中?
落ちていく事が分かっている、でも止められない…そんな感じ?
落ちるというと色々あるよね。
良いこともそうでない事も。
天にものぼる気持ちとか有頂天になってとか、逆に落ち込んでとか地に落ちたとか、自分以外はもしかしたら客観的に見たら、昇っても落ちてもなくて…。
人間て単純で愚かな生き物だから。
恋に落ちると言うけど、自覚したときはもう後戻り出来なくて、何処までも落ちてゆくもの。理性も常識も
周りの全てをも失っても、アホになって突っ走る。
もうそういう事は自分には起こらないと思うし、あんな苦しく辛い思いはしたくない。
男の為、金の為、家族の為、愚かな自分の為、落ちていく事があると言えば、大体は悪い意味で、悲しい結末が待っている。何時でも引き返せるのに勇気が無かったり、愚かだったり。幸せになる為に私達は生まれてきた。時には試練が有るけど乗り越えた者だけが分かる本当の幸せ。必ず乗り越えられるはずなのに怠惰な自分は楽な方を求める。でもその楽さは心身を削っている事に気づかない。
落ちるだけ落ちればあとは上るだけと。でも落ちたまま地べたを這いずり回って生きていくものもあるかもしれない。それも人生。
落ちていく時少し力が抜けて、気持ちいいと思えるから。
重力に抗わないでいられる心地良さ。
夢を見よう。せめて、想像しよう。
何時でも誰でも出来る事、思い描こう。どんな景色があるんだろうと。その先を見てみたいと強く強く本気で願えば、その景色は必ず見えるはず。
その本気さを一度は試してみてみない?
夫婦
俺達は夫婦以上だよ。
いつかあなたが言った言葉。
嬉しかったけど本当の夫婦にはなれなかったね。
何十年夫婦をしてきても、分かり合えることはない。
価値観の違いで別れることはよく聞くけど、そもそも同じ事はない。
たまたま一緒にいて楽だとか、1つくらい同じ何かが好きだとか。
結婚相手には本能的に自分にないものを求めるもの。
私は背が低くて、彼は背が高い。
私は計算が苦手、彼は得意。
私は方向音痴、彼は地図が頭の中にありナビがなくてもなんとか辿り着く。お陰で子供達は半分ずつ私達の遺伝子を貰い受け、私は恨まれるという結末。しかし、多分少なからず私達より進化しているはず。そうやって人類は今日まで生き残ってきたのだから。
分かり合えないけど、他人のように思えるけど縁があって出会い、助け合い、家族になりその後ろ姿を見て、又夫婦が生まれている。
昔、大切な人が喀血し喉につまらせた時、彼女が口から吸って助けたと聞いたことがある。
私はそのようなことは出来ないと自信を持って言えるけど、何があろうと骨は拾ってあげるし、必ず拾ってくれると信じている。
それだけで良い。
私達夫婦はそれでいい。
どうすればいいの
若い頃何度もつぶやいた言葉。でもその頃はヤケクソ的な言葉だったり、いくつかの選択肢があってどれを選んでも結末が想像出来る事だったり、自分や誰かに甘えた心持ちだったり。
本当にどうすればいいかわからない時、言葉は出ない。心も身体もフリーズして、時間が止まったかのように全てがスローモーションに思えた。どうすればいいの…そんな言葉すら頭には浮かばない。頭が真っ白息をすることも忘れていた。少しづつ意識が戻りこわばった顔は笑ってるように見えただろう。
ふらふらと何処ともなく歩いていたら、危ない!と体を抱きとめてくれた人がいた。死ぬつもりはなかったけれど、止められなければ取り返しのつかない事になっていたのだろう。
何が起きても、どんな事になろうとも、時間は止まらない。自分も周りの人も地続きで生き続けている。
逃げることは出来ず、瞬間瞬間の続きを鉛のような想いで抱え続けこの世から今すぐ消える事が出来たならどんなに楽だろう。
今こんな事を書けるなんて…自分でも信じ難いけど、生きていて良かったと何となく思う。
どうすればいいの…時々そう思うこともあるけど、行きてれば何とかなる、逃げようと思えば逃げる事は可能なのだと、今なら思える。
声に出そう、自分に、誰かに、助けを求めよう。大丈夫!何とかなるし何ともならなくても、大したことはない。生きるも死ぬも髪の毛一本切るようなこと。
宝物
誰にでもあるのだろうか、宝物。
子供でさえ『宝物入れ』なんて言って、ガラクタを集めてどれにも思い出や自分だけが分かる意味ありのものを大切に持ってたり。
子供の頃、金のイヤリングをプレゼントされて、つけることはなかったけど、見ているだけでドキドキしたっけ。時々出して眺めて、つけてみて揺らしてみては夢見る乙女になってた。
カーペンターズやビージーズ、ビートルズ、大好きなアイドルのレコードや天井や壁中ポスターを貼ってその宝物に囲まれてた幸せ。
全て失ってしまったけど今、ここにあったらどんな気持ちになっただろう。
たまに宝島の洞窟の中に隠された世界中の金銀財宝を見つけその中で金杯に真珠を満たし、お酒を飲んでみたい…なんてこと考えたり。
子供達が小さかった頃、夕食を食べながら学校であったことを我先にと同時におしゃべりが始まると、私のお腹はねじれるくらい笑いあった。あの瞬間が私の人生の一番の宝物。
どれも今、目の前にない。
思い出すだけ…手が届かない宝物ばかり。でもその思い出があるだけで、私の哀しみは癒される。今日まで生きてこれたのもその御蔭かなって思える。
誰かの心の中でほんの少しでも、私の一部が宝物になっていたら嬉しい。
宝物 今この時を満たし明日を生きる力をくれる 大丈夫だよ 恐れないで 夢を見よう きらめきは貴方の中に ひっそりと 生きているのだから。