【神様が舞い降りてきて、こう言った】
(※性的な表現有り🔞)
「お前は罪を犯した。
お前にはもうすぐ『旦那』となる者がいるというのに
既婚者の別の男と寝た。
そんな『色欲』にまみれたお前には
『呪い』という罰を与えよう。
その呪いで苦しみ 罪を悔い改めよ。」
2023年 2月
オレは『性病』にかかってしまった。
当時、恋人がいるのも関わらず
既婚者の愛人がいた。
愛人には奥さんも娘ちゃんも居るあたたかい家庭を持っていた。
だが妻には愛想がつきいたようで、
ノンケの男性だが若いオレに本気で恋をしてしまったらしい。
オレは正直「金をくれる人」としか思っていなかったが愛人はよく仕事中にオレに電話をかけて愛の言葉や悩みを話してくれた。
会う時は駅で待ち合わせて
愛人が車で迎えに来てくれた。
車に乗ってキスをし、ホテルに行って一夜を共にする…
足りなければ人気のない場所でこっそりと車内で行為をしていた。
金は1万程度しか貰えない…しけた商売だ。
ある日、愛人の家で2泊3日をすることになった。
愛人はこの頃胃腸炎になっていたため、
遠出が出来ないのでオレを呼んだのだ。
愛人の奥さんと娘ちゃんとは何度か会っており
面倒見が良いオレは娘ちゃんによく懐かれていた。
奥さんとも向き合って話をよく聞いていた。
基本的に悪いイメージを持たせることなく
愛人(愛人からすると不倫)との関係を隠し通せていた。
朝、娘ちゃんと奥さんは仕事に行き
家にはオレと愛人だけ…
愛人は娘ちゃんと奥さんが居ない隙に
オレを1度抱いて仕事に向かった。
愛人が家から出る頃に
オレはシャワーを浴びて着替えをし証拠隠滅をさせる。
しかしこの時、体に異変が出ていた。
痛みだ。
そのうち治るかと思って放っておいていたが
1週間経っても痛みが治ることはなかった。
そのことを愛人に話したら
オレはまさかの『性病』に感染していたのだ。
実は愛人は過去にクラミジアに
かかったことがあるらしい…
胃腸炎ではなく
もしかするとクラミジアだったら…?
オレは愛人からクラミジアをうつされた。
愛人は責任から逃れるために音信不通になり、逃げた。
久々に恋人と会って行為をする時も痛みが走った。
その後 恋人も性病が発症した。
6月
やっと治療薬が届き
薬が無くなるまで毎日飲み続けた。
治療薬の価格は3000円。
病院で診察して薬を貰うよりは安く済んだ。
しかし何故だろう…
治療薬が効いていないのだ。
喉は腫れ、舌には出来物、
何よりも酷いのは手足にマメのようなイボのような出来物がたくさんできている…。
クラミジアだけではなく、
淋病、梅毒が同時にかかっているのかもしれない。
恋人にこの病気の怖さを話しても聞いてもらてず
お構い無しにオレにキスをしたり抱いたりする。
このままだとオレは更に病気が進行して
最悪 このまま死ぬかもしれない…
【誰かのためになるのなら】
「オレ、大人になったら漫画家になる!」
………
……
…
あれから何年がたっただろうか
2年前、工場のサラリーマンをやめて
アルバイトばかりやってきた。
ネカフェ、飲食店…
その後は
ファミレス、コンビニ、幼稚園、
カラオケ、ゲーセン…
色々と面接を受けても
どこも採用して貰えなかった。
仕事をしたくても 仕事が出来ない。
オレには収入先がないから
恋人や親にお願いしてなんとか金を貰っていた。
だがさすがにずっと
恋人や親から金を貰うのは申し訳ないと思ったので
オレは汚いやり方で金を得始めた。
それはとても愚かな『仕事』だ。
露出の多い服を身にまとい、
賑やかな街で待ち伏せをする。
しばらくして話しかけられたら
数字を言って取引成立。
食事をしてホテルに行って演じて呆気なく事を済ませば
言った数字の分の金が貰える。
ああ…なんて愚かな『仕事』だろうか
しかし直ぐに高額な金が得られるので
嫌でも辞められない…
オレはそんな事を誰にも言えずにすました顔をして
生活費、恋人とのデート代、
そして実家に入れる金として使う。
リスクのかかる『仕事』は高額となる。
「自己責任」という言葉を身に任せ
演じながら『仕事』にはげむ。
恋人のために 家族のために 自分のために
金を…………
………
……
…
ごめんよ ごめんよ
オレには夢を叶えるチカラがないんだ。
許してくれよ
それでもこんなオレを求める人が居るんだ。
子供だから夢をたくさん見れた。
子供だからやりたいことたくさんあった。
でももうオレにはそんなこと出来なくて…
ごめんね…ごめんなさい…
【鳥かご】
愛しい 愛しい オレだけの『小鳥』
君はオレにしかわからない鳥かごに要る。
かごの格子が見えない?
見えないだけさ
「囚われの身」と気づかず
「自由」と思い込んでいる小鳥は
鳥かごの中で優雅に舞って鳴いている。
君がオレの名を呼ぶ時
君がオレと歌う時
君がオレと居る時
君がオレを頼る時
君がオレに話しかける時
君がオレを考えている時
君がオレで笑う時
君がオレで泣く時
君がオレで怒る時
君がオレで感じている時
君がオレで苦しむ時
君はすでに『かごの鳥』だ。
「かごの鳥」という名の『恋人』。
「恋人」という名の『鳥かご』。
大丈夫。
鳥かごには君ひとりじゃないさ
きっと他の「小鳥達」も
君を歓迎してくれるはずだよ。
でも決して逃げようとはしないでね?
さあ
オレだけの名前を呼んで
オレだけに歌って
オレだけにそばに居て
オレだけに頼って
オレだけに話しかけて
オレだけを考えて
オレだけに笑いかけて
オレだけに泣いて
オレだけに怒って
オレだけを感じて
オレだけに苦しんで
オレだけに
オレだけに
オレだけに
…
ただ
オレだけの『愛しい人』で居て。
逃げようとしたら…
オレだけの『体の1部』になるだけさ。
【私の名前】
「ねえ 名前はなんていうの?」
「あたし(オレ)?
『愛』(愛斗)って呼んでくれる?」
自分の本当の名前が嫌で
自分で名前を作り上げた
オレの名前は1つじゃない。
『愛』という漢字が好きだから
オトコの時は『愛斗』
オンナの時は『愛』
と気分によって名前を変えて名のっていた。
オレの本当の名前を知っているのは
本当に心を許した者にしか教えていない。
あの名前は自分から名のりたくない。
「名前は人生初の親孝行」というが
オレを生んだだけの親から付けられた名前なんて
自分から名乗りたくないし、
いかにも『純粋』『無垢』のような名前だ。
…オレにはとてもその名前が似合うような
人間ではなくて
「『愛』に生きたい」
ただそれだけだった。
【視線の先には】
波のようなグルーヴ
響き渡る音楽
音に乗せて踊り狂う輩たち
水のように飲む酒
視線の先には『大人』だらけ
ここは大人しか入れない『楽園』
音に乗せて踊る者もいれば
ナンパで駆け引きして遊ぶ者も居る
オレは音に乗せて踊る
腰をくねらせ『オンナ』になる
気がつけば舞台でおどる踊り子だ
ここでは何もかも忘れられる
酒を飲みながら踊るダンスは格別だ
このカーニバルは朝まで続く