【大好きな君に】
「旦那と離婚したら
地元に引っ越して暮らそうと思ってる。
そしたらオレと会いに来てくれるかい?」
「いいよ」
オレの夢は地元で初元カノと暮らすこと。
そして、週末に一度は親に会いに行くこと。
だが離婚はできない。地元にも住めない。
それもこれも旦那の為。
仕方ない。
今日も初元カノのLINEを見つめ、
親からの留守電を恋しく聞く。
やるしかない。
【欲望】
「宣誓、
私は嘘偽りなく発言するのを誓います。
私の旦那は気に入らないと
すぐ私を殴ったり怒鳴りつけたりします。
それを『キュートアグレッション』として
旦那は捉えています。
また、この事件に関しては
自分が被害者だと思い込んでおります。
私はただ正直に生きたいだけなのです。
ですが何を始めようとしても不安で怖くなり
私はもう何をすれば良いか、
何をしてはいけないのか
区別がわからなくなっております。
私はこのまま旦那として共にして良いのかも
わからなくなりました。
この裁判は無意味なのです。
ただこの場所が丸くおさまったら
また旦那は犯罪に手を染めようとしています。
私はそれを見て見ぬふりをするのが許せません。」
裁判って 懺悔する場所みたいですね?
【現実逃避】
去年の旦那の違法事件の裁判、
今週の交通事故の処理、
好きでもない男からのキス…
最悪だ。
自信が無い。
【物憂げな空】
「ちょっと考えてみたんだけど
彼氏さんに会った後にオレに会うのはどうだ?」
「今週の月曜に彼氏とは友達に戻ったよ」
「え?別れた…?」
バレンタインであんなにオレは応援して
少し金もかけてあげたのに、
初元カノは彼氏と別れたらしい。
「彼氏の教育係に疲れたの」
オレはニヤリと笑った。
これはチャンスだ。
「なるほどなぁ…
やっぱり限界が来たか
よーし しばらく羽伸ばそうぜ?
とりあえずお疲れ様」
オレは優しく初元カノを慰めた。
神よ、やはりオレは愛されている…!!
オレは神に愛されたインキュバスだ!!
この間、好きでもない職場の外国人男性とキスされ、
体を触られて気持ち悪かった。
あの感触がまだオレの口内と体に覚えてて嫌になる。
その後衝動的になってすぐに愛人ちゃんに連絡して
慰めて貰った。
しかしこの初元カノが彼氏と別れたという
情報のお陰でどうでも良くなった。
…さて、
このもぬけの殻になった初元カノを
どうしてやろうか。
またいじめてやろうか。また優しくしてやろうか。
オレは初元カノが泣くのも笑うのも大好きだ。
【太陽のような】
オレはずっと迷子だ。
オレの『家』は一体どこだ?
帰りたい。帰れない。
だからといって地元に帰っても
時代の流れで変わっていくばかり。
ここはどこだ?
誰を信じればいい?
誰について行けばいい?
この汚れた世界から逃げたい。逃げれない。
結局世の中に『愛』なんて
砂に埋もれたダイヤモンドのように見つからない。
『金』と『性』で世の中は回り、
それを『愛』と勘違いしてしまう
そんな世界だ。
帰りたい。帰りたい。
帰らせて。お願い。
もうここには居られない。
オレの『家』に帰らせて。