「特別な存在」
私はあなたに恋する1人の生徒。特別でもなんでもない。
あなたはみんな平等に可愛がるし、分け隔てなく愛する人。
誰が特別とか言わないし、行動で示す訳でもない。
でもね、私にとってあなたは、ずっと特別だったよ。
他の誰かじゃ代わりになれない、たった1人の愛する人。
私だけの特別な存在。
「バカみたい」
何度あの人に手紙を書いたって、返事なんて返ってこないこと分かっているのに。
「可愛いね、あなたが愛おしい」って何度伝えても、「あなたもね」って言ってくれないこと分かっているのに。
どれだけ目で追ったって、あの人はこちらを見てくれないことなんて分かっているのに。
どれだけ手を伸ばしても、あの人の頭を撫でられないことなんて分かっているのに。
ずっとそばにいたい、あの人に添い遂げたい、同じ墓に入りたいと願っても、叶わないことなんて、
もうずっと、ずっと前から、あの人を愛した瞬間から分かっているのに、もう二年間も願い続けている。
私本当に、バカみたい。
「二人ぼっち」
忘れないよ、あなたと二人ぼっちだった瞬間を。
あなたと嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、愛おしいこと、笑っちゃうくらい他愛のないことを話した時も、
あなたが頭を撫でてくれた時も、手を握ってくれた時も、抱きしめてくれた時も、二人並んで歩いた時も、
二年間も伝えるのを我慢した「好き」をやっとあなたに伝えた時も、
私たちは二人ぼっちだった。幸せだった。
生まれ変わっても、あなたと二人ぼっちで生きていたい。
愛してる。
「夢が醒める前に」
朝、車に乗ったあの人を一目見たいというただそれだけの理由で、毎日決まった時間に家を出る。
今日もあの人と何かお話出来るかなぁとそればかり考えながら登校する。
校舎の中であの愛しい姿を見つける度に誰にも見つからないように飛び跳ねて喜ぶ。
あの人から発せられる言葉全てが鼓膜にこびりつく。
教科書を片手にチョークを黒板に打ち付ける美しい姿に見惚れる。
今日も愛おしかったなぁと幸せを噛み締めながら下校する。
あの人、夢に出てきてくれないなぁと願いながら眠りにつく。
そんな、夢のような3年間だった。
あの人と一緒に行った宿泊学習も、はしゃぐ生徒たちをあの人が嬉しそうに見ていてくれた体育祭も、
あの人が私たちの合唱を聞いて泣いてくれたことも、あの人が傘に入れてくれたことも、
帰り道を一緒に歩いてくれたことも、プレゼントのお返しをくれたことも、手を握ってくれたことも、
頭を撫でてくれたことも、抱きしめてくれたことも、私たちのことを愛おしいと言ってくれたことも、
出会えてよかったと言ってくれたことも、
もしかしたら本当に夢だったのかもしれない。
そう思ってしまうほど、私の3年間は幸せで満ちていた。
あぁ、今が幸せだと分かっていたなら、別れはすぐ来るのだと分かっていたなら、
夢が醒める前に、呆れられるくらいあの人に
「愛しています。」
そう、言えばよかったなぁ。
「これからも、ずっと」
愛してる。
ただそう伝えたい人がいる。
彼女は嫌われ者だ。いつも何かとグチグチ言われている。
でも、それで良い。
彼女のいい所を知っているのは、私だけで良い。
愛しているよ。
これからも、ずっと。