何度思ったか、何度言ったか
貴方は知らない…家で一人だった私のことなど
家族のためにだとはわかっていてもずっとそばにいて欲しかった。
吐き出すほどに泣きながら「お母さん」と呼んだ私は1人寂しく家で留守番をしている。
ねぇ何度ひとりはヤダと言ったかあなたは知ってるだろうか?いえしらないだろう
あなたは覚えている?
子供のようにはしゃぎ回ったあの頃を
いつから、子供のような無邪気さを失ったのだろうか
皆さんはわかっている?
子供の頃の自分と今の自分は変わってないなんて言えるのかしら?
茹るような暑い日、私は蝉の鳴き声を聞いて、教室に一人真ん中の席に座る。
特にすることなどないのだ。
ただ、家に帰るのが遅くなればいいなと思ってしまうのだ
放課後の夕暮れを独り占めして、家の帰路に着くのはまるで一人の世界で少し楽しいと感じるからだ。
カーテンの先が風で動く
その度に私はぼんやりとそれを見た。
カーテンの向こうに人影が見えたような気がした。
でもここには何もないのだ。
空を写す大きな鏡しかないのだ。
自分でもわかっている。
私の心は、10年もの月を過ごしているのに何もないことは、心はもうウユニの水と塩ほどしか残っていないのだ。
カーテンがある窓は私がただ作り出しただけのハリボテに過ぎないのだから
わからなくなってきた。
全てが、溶けるように失っていくから、この苦しい気持ちも痛いと思う心も同じように溶けて落ちて仕舞えばいいのに……言いようのない喪失感が心を呑み込もうとする。
あの日から私は、ずっと神を怨んだ。
大事な人との明日が失われてしまった
もう笑いかけてもくれない、もう慰めてもくれない。
私の唯一の大事な人
今も覚えている。
あなたは幸せな顔をして亡くなったよね
あの日の夜神様に祈ったんだ。
あなたがなくなったことが嘘でありますようにと、あなたは涙が嫌いと言うから頑張ってこらえたんだ。
あなたに笑顔で会いに行くと決めたから、でも結局はなんだったんだろう。
貴方はもう居ない
あの日から私は夜の雨がポツっと降る高速道路が嫌いになった。
後悔してるのに
それすら、残して、泣きわめきたいほどの喪失感だけが残った
今もこれからも