6/24/2024, 12:47:17 PM
壱年後、私は生きていれば。
道に咲いている花々に美しいと伝えます。
ここは振り切って、意地悪してくるあの子に嫌いだと伝えてみます。
アイスを落として泣いている坊やに新しいアイスを与えてみます。
貴方に好きだと伝えます。
体に無数に繋がれているチューブを、多量の注射痕も、傷んだ肌も髪も、頑張っている証だと、言ってくれた貴方に。
頑張ります、私。
だから、そんな顔しないで。
6/22/2024, 10:18:07 AM
何もない日常が ただ通り過ぎていく。
空に舞う カラスののように
5/28/2024, 10:07:14 AM
少年とすれ違った。
無造作に切られた髪は、1000円カットで切ったからだろうか。
半袖短パン短パンの小学校低学年ぐらいだった。
声変わりもしていないその声は甲高く、その歓喜の奇声は憂いの様に聞こえた。
今晩はそうめんにしよう。
少し手間をかけて。
そう、5月の春に思った。
5/27/2024, 10:25:16 AM
「No.06」
“先生”が俺に声を掛けた。
「お前、私のことを嫌っているね?」
ピクリと身体が跳ねた。
「気にしないでいいさ。嫌う理由は充分ある。」
口から気泡が漏れた。
ポラリスの中は溶液で充満されていたため、酸素はチューブを通して送られていた。
「さぞ此処が嫌なんだろう?」
先生は俺を嘲笑った。
「地獄だな。」
先生は、無数のコードを掻き分けて、ポラリスに優しく触れた。
「お前がもし、自力でこのポラリスを抜け出せて、自由を手に入れたとしよう。だかそれは、本当の自由なのか?
私は、死にものぐるいで殺しにかかるだろう。政府も、私の実験の全容を知るお前を死にものぐるいで探すだろう。捕まったら即解剖だ。」
「もう一度聞く、それは本当に自由か?
確かに出たいと思えばこのポラリスは牢だな
でも出たくないと思うなら、これは城だ。」
「天国か地獄かをよく見極めるんだ─────06」