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2/4/2024, 4:39:43 AM

『1000年先も』

「次にこの流星が見られるのは200年後なんだよ」
博識な君が、夜空を見上げ教えてくれる。

星に興味なんてない。
それでも、流星は素敵だと思った。
楽しそうな君を見て心が躍った。
ああ、薄寒い。
カイロを持ってくればよかった。

「200年後は、
 きっと死んでしまっていると思うけれど」

「生まれ変わって、また一緒に見れたらいいね」

ロマンチックな星月夜の下。
あてられたように君が呟く。
笑顔でこちらを振り向くから、
つられて笑い返した。

出会える確証なんて何一つない。
その時まで世界が存続しているのだろうか。
そんなことすら想像がつかない。
遠い未来のことなんかわからないし、
希望だって見いだせない。

それでも、少しだけ期待してしまう。

だから私は、

2/1/2024, 11:05:25 AM

『ブランコ』

幼少の頃の記憶はほとんど覚えていないと言うのに、ブランコに乗った時のことは何故かよく覚えている。

楽しそうに漕ぐ友達。
背中を押して、押されて。
びゅんびゅん風を切ってさ。
あれ180度行ってるよなぁ、って。

私は、それをじっと見ているのが好きだった。
「乗りたいの?」って勧められて座ってみるけど、
漕ぎ出す勇気はなかった。
「背中押したげる」って背中を押されるけど、
どうしても足を地面につきたくなる。
なんか、怖い。
2本の鎖が子供の体重なんかに負けて千切れるわけなんてないだろうけど。それでも地面から離れたくない。
原理なんてさっぱりわからないブランコも、うっかり手を離して転げ落ちそうな自分も。信用ならない。

ブランコはすぐに友達に譲って、私にしてくれたお礼に、そっと背中を押した。
大きく大きくブランコを漕ぐ友達は、
やっぱり遠くどこかへ飛んで行ってしまうような気がした。