『1000年先も』
「次にこの流星が見られるのは200年後なんだよ」
博識な君が、夜空を見上げ教えてくれる。
星に興味なんてない。
それでも、流星は素敵だと思った。
楽しそうな君を見て心が躍った。
ああ、薄寒い。
カイロを持ってくればよかった。
「200年後は、
きっと死んでしまっていると思うけれど」
「生まれ変わって、また一緒に見れたらいいね」
ロマンチックな星月夜の下。
あてられたように君が呟く。
笑顔でこちらを振り向くから、
つられて笑い返した。
出会える確証なんて何一つない。
その時まで世界が存続しているのだろうか。
そんなことすら想像がつかない。
遠い未来のことなんかわからないし、
希望だって見いだせない。
それでも、少しだけ期待してしまう。
だから私は、
2/4/2024, 4:39:43 AM