私だけ
どうして私だけと思った。
どうして周りは健康体なのに私は持病があるのだろうと。
小さい時は薬の副作用の眠気で周りと馴染めず、中学生は1年生の冬に専門の病院に入院。
そこに後悔なんてないしそれがあったから今の自分がある。けれどそんな事をしていたら周りと浮くのは当たり前だった。
それでもなんとかそんな空気を修復出来たのは高校生になってから。
何度も思った私だけ、今でも思うことはあるけどその思いを忘れずにしていたい。
遠い日の記憶
両親は昔離婚した。
だから私に父は今いない。
だからたまにしか会わない父の顔があまり浮かばない。記憶も曖昧だ。
けれどもたくさんいろんな所に連れてってくれたとか心配してくれてたことは覚えてる。
大人になった今だからわかる父の気持ち。
今だから言える私の気持ち。
母と出会ってくれてありがとう
育ててくれてありがとう
空を見上げて浮かんだこと
小さい頃から空を見上げるのが癖だった。
車に乗ってる時空模様が綺麗な時。
考え事や辛い言葉があった時も空を見上げていた。
空は同じようで同じじゃない。
流れていきいろんな姿を見せてくれる。
それが綺麗で儚くて魅入られていたんだろう。
今でもその癖は変わらない。
空を見ると少しだけ勇気と元気をくれるから
「そろそろ終わりにしない?」
「…うん」
恋人がそう口にしたのはある夜のこと。
視線を向けるとムスッとした表情で此方を見ていた。
「聞いてないでしょ」
恋人はため息をつき隣に座る。
そしてついてるテレビをチラリと見た。
カチコチと時計の音。
「「あ」」
そんな中重なる声。
「よし!お待たせ!行こ!」
「うん、おめ。待った」
テレビの画面にはモンスターが倒れる姿、そして報酬欄に真ん中に星があるアイコン。
「明日も一緒にやろーね!」
「ほどほどにね?一緒に寝たいから」
「はーい!」
2人は笑みを浮かべ今日を終える。
明日という約束をして。
優越感を感じたことはあまりない。
劣等感だらけで自分を責めて周りと比べてしまう。
自分は凄い人間ではない。
平凡な人間だ。
根性あるねと言われるが別にそこに優越感を抱いたことはないし劣等感をバネにして頑張ろうなんて大層な考えじゃない。
ただ必死にしがみついて精一杯生きてるだけ。
それだけなんだ。