貴方は元カノがたくさんいて
私なんてたくさんの中のたった1人
でもね、誰よりも貴方を愛せた自信があったよ
貴方の全てを愛したんだけどな。
「別れよう」
ついにこの言葉を言われてしまった。
別れ話になったらもっとごねるものかと思った
けれど
私は何故かあっさりと了承した。
「私以上にいい女、いないと思うよ」
「ほんとに、そう思う」
一般的にはいい女では無いと思うけど
貴方にとっては1番いい女になれてたはずだよ
貴方ってほんとに勿体ない人ね。
私を捨てるなんて。
私は
貴方の元カノの中で
1番忘れられない人になれただろうか。
ふと、ブランコに乗りたくなった。
でももう高校生だし、
昼間は子供たちで公園は溢れかえっている。
彼と夜ご飯を食べに行った帰り。
駅の隣に公園があった。
月明かりに照らされているブランコ。
公園には誰もいない。
「ねぇ、ブランコ乗りたい!」
「えぇ、まぁいいけど」
そう言う彼もブランコに乗ると満更でもなさそうで
辺りには笑い声が響いていた。
気持ちの良い夜風。
1番上まで漕いだ頃、電車の時間は迫っていた。
公園で時間が迫られるのは
いくつになっても変わらないらしい。
「また来ようね」
彼が言った。
「うん!」
でも、また来ることはなかった。
私はもう、ブランコは降りた。
今彼は、他の人とブランコに乗ってるのかな。
夜中の12時。
2か月前は貴方との幸せな日々を思い描いていて
1か月前は貴方とどうやったら続けていけるか悩んで
今は、あの頃は楽しかったな、なんて夢想してる。
ずっと貴方のこと考えてるなって思うけど、
1年前は違う人のこと考えてたし
案外そんなに苦しむことはないんだな。
どれだけ貴方のことを考えたって
いい方向に行くとは限らない。
ただ
何があってもいいように色んなことを想像して
ダメージカットするくらいは
自由でしょ?
私にとって貴方は眩しかった。
とても輝いているように見えた。
でもよく見たら輝いているのは
貴方じゃなかったんだね。
段々と貴方の影の部分しか見えなくなって
貴方がなんなのか、わからなくなっていって
視界が眩んだ。
貴方が輝いてなくても
私は全てを愛したかった。
なのに
あなたを知ろうとすれば知るほど
私まで影に飲み込まれていって
貴方はとうとういなくなってしまった。
悲しみに暮れて俯いた。
ふと前を見ると目に痛みを覚えたが、
数秒したら視界は鮮やかになっていった。
あぁ、なんだ
世界はこんなに輝いていたのか。
貴方と一緒に過ごす夢を見た。
ただ楽しく話して
一緒にご飯を食べて
好きなことについて語り合う。
そんな普通の幸せな夢。
恋人じゃなくてもできるようなこと
ただの友達でもできることが
もうできなくなってしまって
「普通」がいかに幸せかを
思い知った頃には目が覚めた。
朝日が滲んだ。
もう隣に貴方はいない。
私にとって普通になってしまった一日が始まる。